コラム詳細
はじめに
セラクCCCのSalesforce推進部のNです。顧客関係管理・営業支援で多くの企業に導入されているSalesforceには、複数のサービスおよびエディションが存在し、料金体系や費用が理解しにくい側面があります。本記事では、Salesforceの主要サービスの特徴と料金体系、有料の追加サービス、導入時の注意点について解説します。
また、Salesforceは導入した後の定着・活用がとても重要です。導入をご検討されている方は、こちらの資料「Salesforceを活用で最初に絶対やるべき4つのポイント」をご活用ください。
Salesforceは、すべてのサービスおよびエディションを初期費用無料で導入することが可能です。利用料金は1ユーザ単位の月額制となっています。Salesforceにはさまざまなサービスが用意され、各サービスにはそれぞれ複数のエディション(製品ランク)があります。月額利用料金は各サービスのエディションごとに異なります。機能の充実した上位のサービスおよびエディションほど、月額利用料金は高くなります。年中無休24時間対応のサポートや有料アドオンを追加する場合には別途、料金が発生します。
Salesforceの主要サービスには以下の3種類があります。
1.Sales Cloud
2.Service Cloud
3.Marketing Cloud
区分としては「Sales Cloud」が営業向け、「Service Cloud」がカスタマーサービス向け、「Marketing Cloud」がマーケティング向けのサービスです。これらの3サービスは2023年8月に価格改定が実施され、平均9%値上げされました。以下では、これらのサービスの特徴や2024年4月時点の価格をご紹介します。
「Sales Cloud」は、顧客関係管理(CRM:Customer Relationship Management)と営業支援(SFA:Sales Force Automation)のサービスをセットにした製品です。
Sales Cloudを活用することによって、企業は営業活動の可視化や売上予測の精度向上を図ることができ、見込み客を適正に管理し、営業活動を効率化できるようになります。Sales Cloudについてはこちら(SalesforceのSales Cloud(セールスクラウド)機能や導入ポイントを紹介)を参照ください。
Sales Cloudには5種類のエディションが用意されており、月額利用料金は次の通りです。
Starter:1ユーザあたり3,000円(税別)/月
Professional:1ユーザあたり9,600円(税別)/月
Enterprise:1ユーザあたり19,800円(税別)/月
Unlimited:1ユーザあたり39,600円(税別)/月
Einstein 1 Sales:1ユーザあたり60,000円(税別)/月
※Professional以上のエディションはすべて年間契約が必要です。Starterのみ年間契約のほか、月間契約が可能です。
導入する場合には、最初に上記5種類から適したエディションを選択し、次いで以下の3種類からカスタマーサポートに関するプラン(Success Plan)を選びます。
Standard Success Plan:無料
Premier Success Plan:該当ライセンス料の30%
Signature Success Plan:要問い合わせ
Standard Success Planはすべてのエディションに最初から含まれている基本プランです。Premier Success Planでは年中無休24時間体制のより充実したサポートやエキスパートによるコーチングと教育などを受けられます。Signature Success Planでは、専任のテクニカルアカウントマネージャーがつき、サポート応答時間もPremier Success Plan以上に高速になります。
「Service Cloud」は、カスタマーサービス向けの機能とCRMとが組み合わされたサービスです。
Service Cloudを活用することにより、企業はメールや電話、Webチャット、SNSといったさまざまなチャネルを通じて届く問い合わせ情報を一元管理できるようになり、顧客満足度の向上を図れます。Service Cloudについてはこちら(SalesforceのService Cloud(サービスクラウド)の特徴は? 導入のメリットやポイント、料金を解説)を参照ください。
Sales Cloud と同様、Service Cloudにも5種類のエディションが用意されています。月額利用料金は以下の通りです。
Starter:1ユーザあたり3,000円(税別)/月
Professional:1ユーザあたり9,600円(税別)/月
Enterprise:1ユーザあたり19,800円(税別)/月
Unlimited:1ユーザあたり39,600円(税別)/月
Einstein 1 Sales:1ユーザあたり60,000円(税別)/月
※Professional以上のエディションはすべて年間契約が必要です。Starterのみ年間契約のほか、月間契約が可能です。
5種類から選択したエディションと、5種類から選択したカスタマーサポートに関するプラン(Success Plan)を組み合わせる点はSales Cloudと同様です。
Standard Success Plan:無料
Premier Success Plan:該当ライセンス料の30%
Signature Success Plan:要問い合わせ
「Marketing Cloud」は、マーケティング活動の支援に特化したサービスです。
Marketing Cloudは、Sales CloudやService Cloudとは異なり、複数の製品群で構成されるプラットフォームです。企業は、自社のターゲット層や使用チャネル、アプローチ方法などのニーズに応じて適した製品を選ぶ必要があります。Marketing Cloudについてはこちら(SalesforceのMarketing Cloud(マーケティングクラウド)の 特徴・導入方法とは)を参照ください。
Marketing Cloudでは、エディションを選択する代わりに、まず(1)要件に適した「マーケティング製品」を選択し、(2)目的に合った「データ製品」を選びます。
マーケティング製品
Marketing Cloud Personalization:1組織あたり1,080,000円から(税別)/月
Marketing Cloud Engagement:1組織あたり150,000円から(税別)/月
Marketing Cloud Account Engagement:1組織あたり150,000円から(税別)/月
※すべてのマーケティング製品で年間契約が必要です。
「Marketing Cloud Personalization」はWebとメールのパーソナライゼーション、「Marketing Cloud Engagement」はメールマーケティング、「Marketing Cloud Account Engagement」はリードの育成と評価などに適しています。
データ製品
Data Cloud for Marketing:1組織あたり1,080,000円(税別)/月
Marketing Cloud Intelligence:1組織あたり360,000円から(税別)/月
Loyalty Management:1組織あたり2,400,000円から(税別)/月
※すべてのデータ製品で年間契約が必要です。
「Data Cloud for Marketing」ではデータの顧客プロファイルへの統合、「Marketing Cloud Intelligence」ではAIによるデータ活用、「Loyalty Management」では顧客ロイヤルティの管理などに対応した機能が提供されます。
最後にサポートプラン(Success Plan)を選択するのは、Sales CloudやService Cloudと同様です。
Standard Success Plan:無料
Premier Success Plan:要問い合わせ
Signature Success Plan:要問い合わせ
Salesforceを導入する際には、月額利用料金(ライセンス)以外にも考慮すべき費用があります。Salesforceの基本機能の拡張や、特定のニーズに応じたカスタマイズを行う際に発生する追加費用です。
Salesforceでは、選択した製品の機能を拡張するために、さまざまなアドオンを追加できます。たとえばSales Cloudに追加できるアドオンには以下のようなものがあります。
Einstein for Sales:1ユーザあたり9,000円(税別)/月
Sales Program:1ユーザあたり12,000円(税別)/月
Revenue Intelligence:1ユーザあたり30,000円(税別)/月
「AppExchange」というマーケットプレイスで、認定パートナー企業が開発したさまざまなプラグインを導入できることもSalesforceの特徴のひとつです。無料のプラグインもありますが、有料のプラグインを導入する場合には別途、購入費用が必要です。
とくに複数のサービスを利用する場合や、将来的に追加機能を利用したいと考えている場合には、エディションの選択を慎重に行う必要があります。
Salesforceでは、営業部門ではSales Cloud、カスタマーサポート部門ではService Cloudといったように、複数の異なるサービスを導入することが可能ですが、その際にはエディションを統一する必要があります。Sales CloudでProfessionalエディションを選択したのであれば、Service CloudでもProfessionalエディションを選ばなければいけません。複数のサービスを導入する際には、社内でよく調整したうえでエディションを選択することが重要です。
Salesforceで利用可能なアドオンやAppExchange上のプラグインには、使用できるエディションに制限が設けられている場合があります。たとえば、あるアドオンがEnterpriseエディション以上でのみ使用可能である場合には、Professionalエディションではそのアドオンを使用することができません。
Salesforceでは、下位のエディションから上位のエディションにアップグレードすることは可能ですが、上位のエディションから下位のエディションへのダウングレードは不可能です。不要な機能が多すぎてダウングレードしたい場合には、一度解約してから再契約することは可能ですが、データベースのインポートは行えません。エディションを選択する際には、自社にとって必要最低限の機能を備えたものを選択し、機能に不足を感じた場合にアップデートするのがオススメです。
まとめ
今回は、Salesforceの料金体系と主要サービス(Sales Cloud, Service Cloud, Marketing Cloud)の詳細について解説しました。各サービスには複数のエディションがあり、機能やサポートプランに応じて料金が異なります。また、Salesforce導入時の追加費用や選択すべき注意点についても紹介しました。
Salesforceの活用で自社だけの対応が難しい場合は、セラクCCCへご相談ください。セラクCCCはSalesforce定着・活用支援トップクラスの公式コンサルティングパートナーとして、全国400社(2023年5月時点)を超える実績と300名(2023年5月時点)を超える専門コンサルタントが在籍しており、内製化支援をはじめ複合的なクラウド活用の提案が可能です。Salesforceの定着・活用支援や運用支援、トレーニングサービス、常駐・リモート支援など、さまざまな課題に対応できるサポート体制があります。Salesforceでのお困りごとがありましたら、当社カスタマーサクセスチームの無料相談から、ぜひお問い合わせください。また、こちらのセラクCCCのサービス資料も参照ください。
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