コラム詳細
はじめに
セラクCCCのSalesforce推進部Tableau担当のUです。地図上にデータを配置することで、基本的なグラフだけで表現するより分かりやすいビジュアライズが可能になります。「色塗りマップ」は地図上の傾向を表現する場合に効果的です。本記事では色塗りマップの作成手順や活用のポイントをご紹介します。
また、Tableau活用推進の秘訣を深堀した事例もありますので参考になれば幸いです。
【Tableau活用事例解説】コンサルタントが深堀
Tableauの「色塗りマップ」とは、統計学の分野で「コロプレスマップ」や「階級区分図」とも呼ばれる、地図を分割して領域ごとに数値を色で表現する手法です。
色塗りマップは地図上の傾向を可視化します。都道府県別色塗りマップを利用すればデータの特徴が都道府県の位置に起因するかどうか直感的に判断できます。
<都道府県別の色塗りマップ>
棒グラフのように地図上にデータをプロットしない表現方法では、頭の中で都道府県名と地図上の位置を照らし合わせて考える必要があります。また、マップ上の都道府県に数値をプロットする表現方法では、隣接する都道府県の数字をそれぞれ個別に比較する手間がかかります。色塗りマップを利用すれば、閲覧者は領域の位置と色を利用して直感的な判断が可能です。
Tableauでは日本の空港や都道府県、市区町村、郵便番号の位置情報を利用できます。ただしTableauは米国製のため、「市区町村」を領域として扱う場合には「郡」という日本には存在しない行政区で代用する必要があることを覚えておきましょう。
Tableauの地理的役割 | 種別 | 総数 | 備考 |
---|---|---|---|
空港 | 97 | ||
市区町村 | 市区町村 | 2054 | 点 |
郡 | 市区町村 | 1896 | 領域(多角形) |
都道府県/州 | 都道府県 | 47 | |
郵便番号 | 143039 | 3桁および7桁 |
<Tableauがサポートしている日本のマップデータ>
Tableauで色塗りマップを作成する手順について、今回は「都道府県別の利益」を例にご紹介します。
まずTableauにデータを文字列ではなく地理情報として認識させます。
[データ]ペインの項目名左に[Abc]アイコンが表示されている場合は、データが文字列として認識されている状態です。「都道府県」を文字列ではなく地理情報として認識させるために、[データ]ペインの「都道府県」を右クリックしてリストから[地理的役割]、[都道府県/州]を選択します。
[データ]ペインの項目左にあるアイコンが[Abc]から[地球儀]に変わっていれば、データが地理情報として認識されている状態です。
次に地理情報をマッピングします。
マッピング作業は「都道府県」をダブルクリックするだけです。[マーク]の詳細に都道府県、[列]に経度、[行]に緯度が追加されます。また、ビューには日本地図が表示され、都道府県ごとに円がプロットされます。
<都道府県ごとのデータがプロットされた状態>
マッピングの次は色分け作業です。
[データ]ペインの「利益」を[マーク]の色にドラッグ&ドロップすることで、色塗りマップを簡単に作成できます。
<都道府県別の色塗りマップ完成イメージ>
都道府県ではなく市区町村ごとにデータを塗り分けたい場合は、[データ]ペインの「市区町村」について同様の手順で設定してください。
<東京23区の色塗りマップ完成イメージ>
色塗りマップを効果的に使うポイントをご紹介します。
色塗りマップは地理的な傾向の可視化に向いている一方で、細かい表現は苦手です。そこで色塗りマップに円グラフを重ねて領域ごとに構成比率を表現するといったように、複数のグラフを組み合わせると全体と細部をまとめて表現できます。
グラフを重ねる詳しい手順については、こちらの記事「さまざまなグラフに応用できる!Tableauで複数のグラフを重ねる方法 」で詳しく紹介しているため、興味をお持ちの方はお読みください。
色塗りマップは時として閲覧者に誤った印象を与えてしまうことがあります。分かりにくいグラフを作成してしまわないように注意しましょう。
・領域の大きさの差による錯覚
色塗りマップは、領域の大きさによる誤った印象を閲覧者に与える恐れがあります。たとえば北海道は他の都道府県と比べて面積が極端に広いため、色塗りマップで都道府県別の人口を表現した場合には目立ちます。しかし人口密度を表現した場合は目立ちません。「新店舗の出店検討のために都道府県別で人口データを可視化する」といった際には、集客できる範囲を考慮して、人口ではなく人口密度を利用する方が適切でしょう。
<人口と人口密度の色塗りマップを比較>
・領域内が均一だという錯覚
色塗りマップは、領域内に分布差が無いという錯覚を与えることもあります。たとえば都市部と山間部ではまったく人口密度が異なります。しかし、都道府県ごとに領域を区切ると領域内の差異は表現できません。また、領域の境界で値が大きく変化するような印象を与えてしまう可能性もあります。
より小さい領域に分割した色塗りマップや領域内の割合を表現する他のグラフを併用するといったように、情報を補うと良いでしょう。
色塗りマップを使うと地図上の傾向を簡単に表現できます。しかし、活用には他グラフとの併用や錯覚を避けるための注意が不可欠です。また、データを地図上で表現する方法には「比例シンボルマップ」や「ポイント分布マップ」、「ヒートマップ」などさまざまな種類があるため、それぞれの強みを学んで使い分けるのが効果的です。体系的にTableauの活用方法を学びたいという場合はぜひ無料相談のお問い合わせください。当社には300名(23年5月時点)超のSalesforce/Tableau専門コンサルタントやセキュリティ技術者が在籍しており、導入・活用支援を行っています。
また、Tableauを導入しているものの活用が進んでいない企業さまやTableau活用の人材育成を実行したい企業さまは、ぜひTableau Data Cruise へお問い合わせください。
※Tableau Data Cruise とは
セールスフォース・ジャパンTableauと共同で企画・開発したワークショップ型の人材育成サービスです。3ヵ月でTableauの基礎知識からデータ活用の実践スキルを習得し、社内に浸透させる人材創出にコミットします。
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