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Salesforceの承認プロセスの設定方法とは?

2023年04月13日

  • Salesforce
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はじめに

セラクCCCのSalesforce推進部のAです。Salesforceは顧客関係管理や営業支援に役立つだけでなく、[カレンダー]や[ToDo][ドキュメント管理]などの社内業務向けの便利機能を備えています。その中でも「承認プロセス」機能を活用すれば、時間がかかる社内申請業務を効率化できます。
そこで、本記事ではSalesforceの承認プロセスを使うメリットや基本的な設定方法、よくある質問についてご説明します。

 

また、実務で使いやすい承認プロセスを作成するためには、オブジェクトの知識も必要になりますので、こちらの資料「オブジェクトSalesforceの中でどんな役割?カスタムオブジェクト作成手順」と併せてご活用ください。

 

Salesforce(セールスフォース)の承認プロセスとは?

Salesforceの「承認プロセス」とは、承認が必要な社内手続きを自動化する機能です。
承認プロセスを使ってSalesforce内で申請を行うと、交通費申請は経理部の担当者、有給休暇申請は部署内の上長というように、あらかじめ設定した承認者に申請内容が自動通知されます。Salesforce内で承認完了や過去の承認記録の管理まで一元化できるうえ、承認や却下の際に自動で実行する追加アクションなどを設定できる点も魅力です。

 

Salesforceの承認プロセスのメリットとは?

従来の書類とハンコによる申請管理と比べて、Salesforceの承認プロセスには3つのメリットがあります。

 

 

  • ・申請業務の効率化
    「承認プロセス」は、1人が承認したら次の承認者に自動的に通知されるために、従来のアナログ処理より申請から承認完了までの時間を大幅に削減できます。申請時には、Salesforce上の通知と併せて自動でユーザに承認要求メールが送信されるため、申請が届いたことを見逃す心配もなく、業務ごとに違うツールを使うよりも確認の手間を省くことができ、申請業務の効率化につながります。
  • ・申請や承認状況の可視化
    従来のアナログ申請では、「申請が現在どの段階なのか」ということは承認者に一人ひとり確認していかなければ分かりません。しかし、「承認プロセス」ではプロセスインスタンスを主オブジェクト、プロセスインスタンスノードを関連オブジェクトとして承認履歴レポートを作成することで、手続き中の申請・承認状況をSalesforce内で簡単に確認できます。また、「誰が」「いつ」「どのような」申請をしたか、という過去履歴も管理できます。
  • ・企業のガバナンス強化
    承認権限や段階的な承認の仕組みをしっかりと構築して管理できるので、不正な申請や承認を防ぎ、企業ガバナンスを強化できます。

 

Salesforceの承認プロセスの設定方法とは?

今回は簡単なモデルとして、「割引率が30%より大きい商談レコードを作成または更新したとき、承認者に設定した上長へ自動で通知を行い、上長が承認すると商談レコードの状況を自動で承認済みに変更する」という要件を例にご説明します。

 

※承認プロセスの設定は、システム管理者のみが行える点には注意が必要です。

 

1.承認プロセス設定前の準備

承認プロセスの設定を行う前に、オブジェクト[商談]に、割引率を入力できるパーセント項目[割引率]と、上長が承認したかどうかを示す選択リスト項目[状況]を設定し、[未承認]と[承認済]を選択できるように準備しておきます。

 

2.新しい承認プロセスの作成


<[承認プロセスを管理するオブジェクト]から、[商談]を選択した所>

 

最初に、新しい承認プロセスを設定します。
まず[設定]からクイック検索で[承認プロセス]を選び、承認プロセスウィザードを起動します。
次に[承認プロセスを管理するオブジェクト]から、今回は[商談]を選択します。 [承認プロセスの新規作成]は、今回は承認ステップが1段階なので[ジャンプスタートウィザードを使用]を使用します。

 

※承認ステップが2つ以上など、より複雑な承認プロセスを設定する場合は[標準ウィザード]を使います。

 

さらに、承認プロセスの[名前]と[一意の名前]を入力します。
今回は名前を[3割商談割引プロセス]、一意の名前を[Discount_Approval _Process_30]と入力します。

 

3.開始条件の設定


<開始条件の設定>

 

各種名称を入力し終えたら、承認プロセスの開始条件を設定します。
入力条件として[項目][演算子][値]を設定します。
今回は項目を[商談:割引率]とし、演算子は[>]、値を[0.3]とします。
これで、「商談の割引率が30%より大きい場合」に承認プロセスが自動起動するように設定できます。

 

4.承認者の設定


<承認者の選択>

 

開始条件が設定できたら、承認者の設定に移ります。
今回は、[自動的に承認者を割り当てる。]にチェックし、ユーザ[上長]を選択して[保存]します。次に、[承認プロセスの詳細ページの参照]をクリックします。

 

5.最終承認時の自動更新の設定


<承認時に自動で行うアクションの設定>

 

最後に、承認時に自動で行うアクションとして、レコードの自動更新を設定します。
[最終承認時のアクション]で、[新規アクションの追加]から[項目自動更新]を選択します。

 


<項目自動更新の設定>

 

名前は[承認済]、一意の名前は[ActionFieldUpdate]と記入して、更新する項目は[状況]を選びます。
新規項目値の設定は[特定値]を選択し、[承認済]を選んでください。

 

[保存]して、最後に[有効化]すれば設定完了です。

 

Salesforceの承認プロセスにおけるよくある質問

承認プロセスの作成に伴って、質問に上がりやすい設定方法についてご紹介します。

 

問1:承認プロセス開始や承認の際に申請者へメール通知が欲しい

「申請が最終的に承認された時に、申請者に自動で通知が届くようにするには?」という質問がよくあります。
承認プロセスでは、申請・承認ステップ・最終承認・最終却下・取り消しの5つのタイミングで、申請者へのメール通知をはじめとした自動アクションを追加できます。この自動アクションの追加を使用すれば、[最終承認時]に[テンプレートメール]を[申請者]に自動送信できます。具体的な設定方法は以下の通りです。

 

事前準備として、承認プロセスの[申請者]を、オブジェクトの[所有者]に制限しておきます。
まず、最終承認時のアクション追加から[メールアラート]を選択します。
次に、[説明]と[一意の名前]を記入して、事前に設定しておいた任意の[メールテンプレート]を選択します。
メールの送信先は[承認プロセス]を設定したオブジェクトの[所有者]を選択して[保存]すれば完了です。

 

問2:申請開始条件を設定したい

「社内の承認手順に沿った承認プロセスを作成するために、例えば、条件Aの場合は承認不要、条件Bの場合は上長の承認が必要、条件Cの場合は上長の承認後に部門長の最終承認が必要、といったように細かく申請開始条件を設定する方法は?」という質問もよく受けます。
承認プロセスでは、申請開始条件を設定する場合に、開始条件以外の場合の挙動も設定できます。「割引率30%以下の商談は自動的に承認する」と設定したい場合は、まず条件の入力項目を[商談:割引率]とし、演算子は「>」、値を「0.3」とします。次に、「条件が一致する」を選択し、[それ以外の場合]は[レコードを承認」と設定します。
他にも、「承認プロセスを設定するオブジェクト」「親オブジェクト」「現在のユーザ」の3つについて、条件を満たすレコードのみを承認プロセスの対象に指定できます。これらの条件を組み合わることで、複雑な開始条件を設定できます。

 

問3:申請者を制限したい

「どのような手順で、申請者を制限できますか?」というのも、よくある質問の1つです。
承認プロセスでは、「経費申請は全従業員が行える」「商品の割引申請は営業部のみに制限する」といったように、申請者について制限を設定できます。
オブジェクト[ユーザ]にカスタム項目として[部署]を加えます。営業部のユーザの項目を[営業部]とします。その後、現在のユーザの[部署]を[次の文字列と一致する 営業部]と設定して完了です。
申請者を数人に限定したい場合は、ユーザ名を指定するのも便利です。
先に説明した「申請開始条件」の設定だけでなく「申請者」の制限を組み合わせることで、実際の社内ルールに沿った承認プロセスが作成しやすくなります。

 

承認プロセスを、より実践的に活用するために

承認プロセスを活用すれば、社内の申請業務の時間短縮や承認状況の可視化ができます。承認プロセスは細かい設定が可能ですが、実務で使いやすい承認プロセスを作成するためには、オブジェクトやメールテンプレートなどの知識も必要です。 オブジェクトについて詳しく解説しているこちらの資料「オブジェクトSalesforceの中でどんな役割?カスタムオブジェクト作成手順」と併せてご活用ください。
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