コラム詳細
はじめに
Salesforceには環境設定を簡単に移し替える「変更セット」と呼ばれる機能があります。
本記事はSalesforceの変更セットの概要と種類、具体的な利用手順をわかりやすく解説しています。
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Salesforceでは、設定データを一括で扱うためのデータ単位(塊)を「変更セット」と呼びます。これは、特定の環境設定を別のサーバに設置されたSalesforceに移行する場合に、設定やカスタマイズデータを送受信する際に使用されるものです。一般的に、テストサーバなどを使った開発環境のことを「Sandbox」と呼びますが、そのSandbox側で作成・設定したコンポーネント情報を、実際に使用する本番環境に移行したい場合や、複数のSandbox間で設定を共有したいときなどに変更セットが使用されます。カスタマイズデータを正確かつ安全に移行できる変更セットは、異なる環境間でもSalesforce設定の一貫性を保つために欠かせない機能です。
変更セットには「送信変更セット」「受信変更セット」2種類の表記があります。2種類の違いを以下で解説します。
変更セットの中身はカスタマイズの内容が記載されたメタデータ XMLファイルの塊です。同一の変更セットについて、変更セットを作成した側では「送信変更セット」、受け取った側では「受信変更セット」として表示されます。以下で詳しく解説していきます。
開発環境で実施したカスタマイズや新規作成したコンポーネントなどをまとめた変更セットを新規作成すると、作成した側のSalesforce環境にはメニューの「送信変更セット」配下に表示されます。送信変更セットは複数作成し保存できます。実際に使う際は、送信したい内容の変更セットを選択し、特定のSandboxや本番環境など指定した環境へ送信します。
前段の送信変更セットは、受信側では「受信変更セット」となります。受け取った変更セットは、メニューの「受信変更セット」配下に表示されます。ここでは複数の変更セットを受信できます。受信側では受信変更セットの内容を確認し、必要に応じて手元の環境に適用します。
Salesforceの変更セットは設定やカスタマイズの移行を効率的に行う仕組みです。以下で変更セットを使用するメリットについて詳しく解説していきます。
変更セットは「Sandbox側で複数の内容変更をまとめて、本番環境で一度に実行できる」という利点があります。本番環境で直接設定を行い作業が数日間にわたった場合、日々の業務に支障が出る可能性がありますが、開発環境側で完成させたコンポーネント情報を一括で実装させることにより、本番環境に影響がおよぶ時間は短く済むのが特徴です。本番環境の不具合で業務に影響を及ぼさないように、開発環境上で作業の抜け漏れを防ぎ、一気にコンポーネントの反映(実装)を行いたい場合に使用すると大きな効果があります。また、変更セット作成には「連動関係を参照/追加」という機能があります。これは変更したコンポーネント情報に依存するコンポーネントを一覧表示して変更セットに追加できる機能です。連動している設定を自動で認識し、必要なコンポーネントをまとめて移行できます。
変更セットの利用では、Sandboxと本番環境で「リリース接続」を行います。Sandboxで動作確認を行い、十分に検証したコンポーネントを変更セットのリリース接続で一気に本番環境に移し替えられるため、設定ミスに起因する本番環境の動作不良が起きにくくなります。受信のためのリリース接続には送信側と受信側双方の「認証」が必要であるため、誤ったデータ送信による改変も防げます。
受信側では変更セットの内容に問題がないか「検証」する機能もあります。受信変更セットの一覧から、検証したい変更セットを選択して実行します。送信側で変更セットが削除された場合や、受信側で変更セットを適用中の間は検証機能が使えません。
使用環境やバージョンによって異なる場合がありますが、一般的に変更セットで送受信できるコンポーネントは100種類以上にのぼります。その中でも重要なコンポーネントは以下の通りです。
変更セットを使ってSandboxから本番環境へコンポーネントを移行するまでの送受信の手順を解説します。
まず、受信側となる本番環境側を、変更セットを受け取り可能な設定にします。
手順は以下のとおりです。
<リリース設定の選択>
<「変更着信を許可」にチェックを入れて保存>
これで、本番環境側で変更セットの着信が許可され、移行準備が整います。
次に、開発環境となるSandbox側で、送信変更セットを作成します。手順は以下のとおりです。
<送信変更セットの画面>
<送信変更セットのアップロード>
<送信先の組織を選択して「アップロード」をクリック>
これで、Sandboxで作成した送信変更セットは本番環境に送信され、受信側での承認を待つ状態となります。
Sandboxから送信された変更セットは、本番環境側で受信し適用することで、本番環境に反映されます。手順は以下のとおりです。
<「検証」をクリック>
<テストオプションの画面>
<「リリース」をクリック>
<テストオプションで「リリース」をクリック>
<リリース済みの変更セットの画面>
Salesforceの「変更セット」は、Sandboxでの設定を本番環境に一括反映できる便利な機能ですが、操作に不慣れな場合は、専門的な支援を受けることをオススメします。
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まとめ
Salesforceの変更セットは、カスタマイズデータを開発環境から本番環境などの環境間で正確かつ安全に移行するための機能です。開発環境側で送信変更セット、本番側で受信変更セットとして扱われ、データの上書きミスが起きないように工夫されています。
もし変更セットを活用した本番環境への移行などをはじめ、Salesforceの活用について不安がある場合は、ぜひセラクCCCにご相談ください。
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