コラム詳細
はじめに
主力商品や新商品の展示会開催や、リード(見込み客)に製品アプローチのダイレクトメールを一括送信するたび、その成果や成約率などを1項目ずつExcelなどで管理している企業が多いのではないでしょうか。年に1~2回程度であれば、業務負担もそれほど大きくないですが、各種マーケティング活動の実施頻度が高くなるほど、データの管理・分析が面倒になります。その点、Salesforceの「キャンペーン」を活用すれば、それらのデータ管理が効率化できるばかりではなく、マーケティング活動で発生したリード数、マーケティング活動の結果などの可視化・分析ができるようになります。そこで今回は、Salesforceのキャンペーンについて、機能の概要や使い方を解説します。マーケティング部門の担当者は必見です。
また、キャンペーンを使いこなすことでデータドリブン営業を実現できます。もし、ご興味があればこちらの「データドリブンな営業の仕組み化の秘訣」もご視聴ください。
展示会の開催や自社Webサイトによる商品紹介、各種メディアへの広告掲載やダイレクトメールによる商品アピールなど、企業のマーケティング活動は多岐にわたります。Salesforceの「キャンペーン」は、それぞれのマーケティング活動によって発生した見込み客の連絡先や反応、商談数と結果、獲得できたセールスパイプランなどを詳細に追跡するためのツールです。
展示会、Webサイト、メールなど、マーケティング活動の形態ごとにレコードタイプを設定ができ、活動結果が可視化しやすくなります。また、レポート機能を使用することでマーケティング活動ごとの費用対効果を分析することもできます。
Salesforce社が提供するMAツールの1つである「Account Engagement(旧:Pardot)」にも、「キャンペーン」という機能があります。そのため、Salesforceのキャンペーンと混同されるケースもあるようですが、この2つは、使い方も使うべき場面も異なります。
具体的な違いとして、Salesforceのキャンペーンはマーケティング活動を施策別に管理する機能のため、たとえば「新商品展示会」という施策に対し、複数の見込み客が1つのレコード内に存在することになります。一方、Account Engagementのキャンペーンは、見込み客の導入経路(マーケティング施策)ごとに登録するので、1人の見込み客が属するキャンペーンは1つになります。
つまり、Salesforceキャンペーンは、マーケティング施策と見込み客とが1対複数になるのに対し、Account Engagementキャンペーンは1対1の関係として登録されます。
※Account Engagement(旧Pardot)にご興味のある方は、こちらの資料「Pardot最大活用のための分析事前準備設定 Vol.1」もご活用ください。
Salesforceのキャンペーンはシンプルな機能でありながら、前述したとおり、さまざまな活用メリットがあります。
主なものとしては、自社のマーケティング活動に対して、より正確な効果測定が可能な点です。費用対効果の低いマーケティング活動の減少や、なぜ思ったような効果が得られないのかを分析するなど、企業全体の収益率向上を目指すことも期待できます。
見込み客や顧客に対して送信されたメール履歴を、マーケターや営業担当者が振り返られる点、見込み客の反応を管理し、適切に返信ができる点も、メールによるマーケティング活動をより効果的に行うのに役立ちます。イベント連絡やウェビナーキャンペーンの追加ができる機能も、見込み客や顧客への連絡漏れ防止につながるといえるでしょう。
それでは、キャンペーンの具体的な使い方について解説します。以下で紹介するもの以外にもさまざまな活用法がありますが、まずは代表的な使い方からマスターして、キャンペーンの機能と活用すべき場面を覚えてください。
キャンペーンレコードを作成するには、キャンペーンオブジェクトから「新規」を押します。
<キャンペーンオブジェクトから「新規」をクリック>
その後キャンペーン名や種別など必要な項目を入力します。
<キャンペーン名や種別など必要な項目を入力>
ユーザプロファイルの「マーケティングユーザ」チェックボックスで、オプションが選択されているかどうかを確認し、チェックボックスが選択されていない場合はレコードを編集して、「マーケティングユーザ」チェックボックスを選択してください。
<「マーケティングユーザ」チェックボックスを選択>
「キャンペーンメンバー」とは、マーケティング活動におけるアプローチターゲットのこと。リード、取引先責任者、個人取引先の追加が可能です。キャンペーンメンバーの追加方法は複数あるので、それぞれのやり方を紹介します。
キャンペーンレコードに、個々のリード、取引先責任者、個人取引先を追加する
取引先別の詳細ページで「キャンペーン履歴」関連リストに移動し、「キャンペーンに追加」をクリック。
<「キャンペーンを追加」をクリック>
追加するキャンペーンを指定したら「キャンペーンメンバーの編集」ページでキャンペーンメンバーの状況を指定し、保存。この場合、メンバーの状況は「メール送信」と「レスポンスあり」となります。
<追加するキャンペーンを指定>
<キャンペーンメンバーの状況を指定・保存>
[メンバーの管理]を使用してキャンペーンメンバーを追加する
この記載内容はClassicのものになります。Lightning experienceの場合、画面の挙動が異なり、キャンペーンページから該当箇所の追加方法が若干異なります。
Classic版
キャンペーンレコードにある「メンバーの管理」をクリックし、「キャンペーンメンバー」関連リストから「メンバーの追加-検索」を選択します。
<メンバー追加後の管理画面>
また、この作業で取引先責任者の追加ができない場合は、「取引先責任者の検索レイアウト」から「取引先責任者リストビュー」の編集をクリックし、「[キャンペーンに追加] チェックボックス」をオンにする必要があります。
<取引責任者検索レイアウト>
<[キャンペーンに追加] チェックボックスにチェックをオン>
Lightning experience版
キャンペーンレコードの関連リスト「キャンペーンメンバー」から、「リードの追加」または「取引先責任者を追加」を選択します。
<「リードの追加」または「取引責任者を追加」を選択>
Lightning experienceではキャンペーンからリードを追加しようとするとリード検索画面(あるいは取引先責任者)に移ります。追加したいリードにチェックを入れて「次へ」を押し、キャンペーンを追加します。
<追加したいリードにチェックを入れて「次へ」>
続けて、キャンペーンページから取引先別にメンバーを追加します。「キャンペーンメンバー」関連リストの「取引先責任者の追加」を追加からの場合、検索できるのは取引先責任者となります。
<関連リストから「取引先責任者を追加」をクリック>
その後、追加メンバーを選択して「登録」をクリックします。
取引先ページからキャンペーンメンバーを追加する
取引先の詳細ページから「取引先責任者」関連リストに移動し、該当する取引先責任者をキャンペーンメンバーとして追加。
<該当する取引先責任者をキャンペーンメンバーとして追加>
「キャンペーンに追加」を選択してキャンペーンを指定し、キャンペーンメンバーの状況を指定したら「保存」をクリックします。
<キャンペーンを指定>
<キャンペーンメンバーの状況を指定・保存をクリック>
リードおよび複数の取引先責任者をキャンペーンに追加する
「キャンペーンメンバー」関連リストから「リードの追加」または「取引先責任者の追加」をクリック。追加する該当者を選択し、追加されたメンバーのメンバー状況を選択し、適用の有無を確認した後に「登録」をクリック。
<追加する該当者を選択>
<追加されたメンバーの状況を選択し、「登録」>
複数のメンバーをキャンペーンに追加する場合はリストビューから追加するレコードを選択し、「キャンペーンに追加」をクリックします。
<複数のメンバーをキャンペーンに追加>
標準レポートおよびカスタムレポートからキャンペーンメンバーを追加する
標準レポートまたはカスタムレポートレポートから、「キャンペーンに追加」をクリックすることで登録できます。
キャンペーンレコードは階層化させることが可能で、たとえば最上位の階層に「全体方針」、2層目に「各マーケティング戦略」、3層目に「具体的なマーケティング活動」といった階層化を図ってマーケティング活動の実施状況を可視化する、特定のマーケティング施策におけるキャンペーン間のリレーションを表すといったことができます。
<キャンペーンレコードの階層化>
階層を設定するには、「親キャンペーン」項目をキャンペーンページレイアウトに追加し、キャンペーン階層統計項目を有効化。
<親キャンペーン項目をキャンペーンページレイアウトに追加>
Salesforceの各項目を表示すると、「キャンペーン階層」関連リストの「階層内合計」セクションに項目の値が表示されます。
ユーザは、「親キャンペーン」から各階層の詳細情報を参照できます。キャンペーン階層統計項目は、当該階層内の個々のキャンペーンの参照権限に関わらずデータを集計して表示します。
キャンペーンと商談を関連付けるやり方には、自動関連付けと手動関連付けの2通りがあります。自動関連付けはリードからキャンペーンメンバーを登録した場合、「取引開始」への更新によって自動的に商談の「主キャンペーンソース」に設定されます。
一方の手動関連付けは、コンタクトの状態からキャンペーンメンバーに登録した場合、「主キャンペーンソース」へと手動で入力するやり方です。キャンペーンから影響を受ける商談の詳細ページで、リストを直接管理することもできます。
前項で、キャンペーンの主な使い方を紹介しましたが、それ以外にも設定しておきたい項目があります。ビジネスプロセスの促進に役立つ設定を、4つほど紹介します。
キャンペーンに親子関係がある場合には「親キャンペーン」を設定し、「親キャンペーン」「キャンペーンの予算」「期待されるレスポンス」「キャンペーンの期待収益」が事前設定できます。
<事前設定>
「キャンペーンの予算」は施策に対するマーケティングの予算、「期待されるレスポンス」は設定した任意のアクションが行われる確率、「キャンペーンの期待収益」は実施したマーケティング施策で得られると想定される金額です。
キャンペーン成功のパーセンテージを、影響力のあるキャンペーンに割り当てるためのツールです。
商談のキャンペーンインフルエンス関連リストが利用できない場合は、「キャンペーンインフルエンス」を有効にし、ユーザの詳細ページへアクセス。「権限セットライセンスの割り当て」関連リストへスクロールし、「CRM User」または「Sales User」ライセンスのいずれかを選択し、ユーザへ割り当ててください。
<権限セットライセンスの割り当て>
前項で述べた「自動関連付け」を行えるようにする設定です。「設定」からインフルエンスと検索するとキャンペーンインフルエンスの設定を選択でき、該当画面に遷移できます。
<有効化を選択し保存>
先ほど紹介したように、SalesforceキャンペーンとAccount Engagement(旧:Pardot)キャンペーンとは異なる機能ですが、両者を接続することで時間の節約や乱雑さの軽減、価値あるクロスプロダクト機能へのアクセスが可能になります。
「Pardotキャンペーン」ページを開き、「マーケティング」及び「キャンペーン」を選択。Lightningアプリケーションで「Account Engagementキャンペーン」を選択します。
<Lightningアプリケーションで「Account Engagementキャンペーン」を選択>
次に、「接続されていないキャンペーン」ビューを選択し、接続するPardotキャンペーンの「CRMキャンペーンに接続」をクリックします。
<「CRMキャンペーンに接続」をクリック>
最後に関連付けられているSalesforceキャンペーンを選択して完了です。
<関連付けられているSalesforceキャンペーンを選択して保存>
※Account Engagement(旧Pardot)にご興味のある方は、こちらの資料「Pardot最大活用のための分析事前準備設定 Vol.1」もご活用ください。
今回は、マーケティング活動にともなうデータを効率的に管理できるSalesforceキャンペーンについて紹介しました。「メリットはわかったが、活用するのが難しそうだ」「使い方がよくわからない」などの困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。
当社には300名(23年5月時点)を超える専門コンサルタントが在籍し、お客様側の視点からSalesforceのサポートサービスを行っています。効率的なSalesforceの活用を、当社のカスタマーサクセスチームがサポートいたしますので、ぜひ無料相談からお問い合わせください。
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