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Salesforce「データローダ」の使い方やインストール方法は?

2023年05月22日

  • Salesforce
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はじめに

顧客情報をはじめ、営業活動に関するさまざまなデータを蓄積することで、CRM(顧客管理)ツールだけでなくSFA(営業支援)ツールとしても有効活用できる「Salesforce」。ただ、導入当初はもちろん、取引先が増えるごとに細々としたデータを入力するのは、面倒で時間のかかる作業でもあります。そこで活用したいのが、大量のデータを一括で登録できる、Salesforceのクライアントアプリケーション「データローダ(Data loader)」です。便利そうだがインストール方法や使い方がわからない、あるいは、どういう場面で役立つのかわからない…という方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、データローダのインストール方法や活用方法、よくあるトラブル事例などについて解説します。インストール後の設定にお困りの方も、ぜひご覧ください。

 

また、データを登録した後のデータ分析のポイントについて解説しているこちらの資料「営業データ分析Salesforceで分析するための基本データ項目の考え方 ~基礎編~」と併せてご活用ください。

 

Salesforceの「データローダ(Data Loader)」とは

データローダをひと言でご説明すると、Salesforceに入力すべきデータをインポートする際、あるいはエクスポートする際に、一括で処理できるツールです。処理すべきデータが多い場合、データローダを活用することで作業を大幅に効率化できます。
データローダを使ってインポートできるデータはCSV形式で、それまでExcelなどで管理していた複数の顧客情報を一括でSalesforceに取り込んだり、Salesforceのレコード(オブジェクトに入力された個々の顧客情報)に対して挿入、更新、削除したりする操作を行うことができます。エクスポートする際も、CSVファイルとして出力されます。

 

データローダ上の機能表記

アプリケーション上には、データローダの機能が次のように英語表記されています。

  • ・データの新規登録→Insert
  • ・既存データの更新→Update
  • ・データの登録と既存データの同時更新→Upsert
  • ・データ削除→Delete
  • ・データの出力→Export
  • ・データの全出力→Export All

 

Salesforceの「データローダ」と「インポートウィザード」の違いは?

Salesforceには、データローダ以外にも「インポートウィザード」というインポート専用ツールが準備されています。どちらも、外部ファイルからSalesforceにデータをインポートするためのツールですが、この2つには違いがあるため、目的や環境によって使い分けることが重要です。
たとえば、読み込むべきレコードが5万件以内で、使いやすさを重視するのであればインポートウィザードが向いていますが、レコード数が数十万件にもおよぶ場合、インポート作業を自動化できる点も含めてデータローダの方が適しています。
データローダはパソコンにインストールして使用する外部アプリケーションであるのに対し、インポートウィザードはSalesforceのWebインターフェイスからアクセスして使用するツールなので、インストール不要です。また、データローダの画面は英語表記であるのに対し、インポートウィザードはログインユーザの設定言語で表記されます。データローダの使用はシステム管理者権限が必要ですが、インポートウィザードはシステム管理者だけではなく標準ユーザも使用できるという違いもあります。
データローダは夜間インポートの自動化が可能、インポートウィザードの方は不可という違いもあるので、定期的なデータ読み込みスケジュールを設定したい場合などにはデータローダが便利です。2つのツールの使い分けの詳細については、Salesforceの公式ガイドに掲載されているので、そちらを参考にしてください。

 

Salesforceの「データローダ」のインストール手順について

先述の通り、データローダはパソコンにインストールして利用するツールなので、ここではインストール方法について紹介します。
データローダを使用するためには、プログラミング言語であるJavaをダウンロード&インストールする必要があるので、Azulのダウンロードページから「Azul Zulu Builds of OpenJDK」をダウンロードします。Windowsなら「.msi」、MacOSなら「.dmg」を選んでください。

 


<①Azul ダウンロードページ>

 

任意の場所にダウンロードしたファイルをダブルクリックするとインストール画面が立ち上がるので、[Install]をクリック。Javaのインストール画面に従って[Next]をクリックしていけば、インストールが完了します。

 


<②Azulダウンロードページ>

 


<③Azul ダウンロードページ>

 

Javaのダウンロードが完了したら、データローダ本体をダウンロードします。[Salesforceログイン]→[設定メニュー]→[クイック検索欄]に「データローダ」と入力すれば、データローダの項目に到達します。

 


<データローダ>

 

デバイスにあったデータローダをダウンロードしたら、zipファイルに同梱されている[install.bat]をクリックし、コマンドプロンプトを開きます。

 

コマンドプロンプト操作方法

(1)インストール先などのフォルダに変更がない場合は[ENTER]を押します。

 


<コマンドプロンプト①>

 

(2)スタートメニューにショートカットを作成する場合は【Y】、作成しない場合は【N】を押します。
(3)デスクトップにショートカットを作成する場合は【Y】、しない場合は【N】を押します。

 

これらの手順についても、Salesforceヘルプに掲載されていますので、詳細はご確認ください。

 

Salesforceの「データローダ」の使い方について

上の項目までで、データローダのインストールが無事に完了したと思われます。次に、使い方について紹介します。
まず、データの新規登録(Insert)を行います。データローダを開き、ホーム画面より[Insert]をクリックします。

 


<Insert①>

 


<Insert②>

 

ログイン画面が表示されるので、ここでログインすると、「取引先」「取引先責任者」「取引先メンバー」など、インポートできる対象ファイルが一覧表示されます。

 


<Insert③>

 

その中からインポートしたいCSVファイルを選択し、新規のレコードとして登録します。

 


<Insert④>

 

次に、紐付けしたいオブジェクトの項目を選択。データが登録されていることを確認し、最後に保存先を選択して終了です。

 


<Insert⑤>

 

新規登録の完了後、Salesforce上で間違いなくデータの登録が行われているか確認しておきましょう。

 

Salesforceの「データローダ」を使用したエクスポートの方法について

外部データをインポートするやり方がわかったところで、データのExport(エクスポート)方法を紹介します。データのエクスポートは、Salesforce内に蓄積された情報を定期的にバックアップする際に便利なので、手順を覚えておくと万が一のデータ消失トラブルなどに対応できます。
「データの新規登録」ではホーム画面から[Insert]を選択しましたが、今回は右から2番目の[Export]を選択。

 


<Export①>

 

出力したいオブジェクトを選択し、データの格納場所を指定し、ファイル名を決めます。ファイル名の拡張子は必ず「.csv」にしてください。

 


<Export②>

 

その後、出力したいデータを選択します。その際、画面左上のチェック欄から選択する方法と、下欄にSOQL文を入力する方法があります。

 


<Export③>

 

出力項目が選択できたら「Finish」をクリック。

 


<「Finish」ボタンをクリック>

 

問題がなければ「~successful」、何らかの問題がある場合は「~errors」と表示されるので、この表示がなければ完了です。
先ほど、データ選択の際にSOQL文を入力する方法があると書きましたが、多くの項目を同時選択する場合は、SOQLを直書きする方法の方が、簡単に項目を選択することができます。その他、データローダには便利な機能が数多くあり、使いこなせれば業務効率化やビジネス成功への第一歩となるはずです。

 

Salesforceの「データローダ」をバッチモードで使用する際の設定手順について

データローダは、バッチモードで自動的に実行させることが可能です。その手順を紹介しましょう。なお、データローダのバージョンにより、作業手順が若干異なる箇所がありますので、事前にバージョンを確認しておいてください。
バッチモードで自動的に実行させる手順は次の通りです。

 

      1. (1)コマンドプロンプトから暗号化キーを生成

 

      1. ※バージョン42以前、43、44、45以降で、それぞれ手順が異なります。
      1. (2)ログインユーザ名の暗号化パスワードを生成

 

    1. ※バージョン42以前、43、44、45以降で、それぞれ手順が異なります。
    1. (3)対応付けファイルと設定ファイルを作成
    1. (4)コマンドプロンプトで処理を実行する

なお、バージョン42以前、43、44、45以降の手順については、Salesforceヘルプで紹介されていますので、そちらでご確認ください。

 

Salesforceの「データローダ」を使うときの注意点は?

さまざまな便利機能をもつデータローダですが、使用言語が英語のみなので、使いこなすには難しい面もあります。また、以下の2点の注意点がありますので、ご確認ください。

 

注意点1

データローダで多くのレコードを一括更新する場合は、必ず更新する前のレコードのバックアップを取っておきましょう。
バックアップを取る際は、レコードIDのバックアップも必須です。更新内容に誤りがあった際、バックアップを使用して元に戻すことができます。

 

注意点2

データローダでエクスポートしたCSVファイルを変換してしまうと、再インポートした場合正しいマッピングが行われなくなります。
再インポートするファイルは、メモ帳などで「UTF-8」の文字コードで上書き保存しないように注意しましょう。

 

Salesforceの「データローダ」のよくあるトラブルとは?

 

(ケース1)データローダに正しいユーザ名とパスワードを入力しているのに、ログインできない

    1. 解決策(1)「セキュリティトークン」をパスワードの最後に追加し、ログインをやり直します。
    1. 解決策(2)「API is disablesd for this User」と表示されログインできない場合は、プロファイルで「APIの有効化」にチェックを入れてください。

 

セキュリティトークンがわからない場合やAPIの有効化がわからない方は、こちらのSalesforceヘルプをご確認ください。

 

(ケース2)正しくインストールしたはずだが、データローダが起動しない

      1. 解決策(1)Javaがインストールされていない可能性があります。一度Javaのインストール状況を確認してみましょう。
      1. 解決策(2)メモリが不足している可能性があります。その場合は(heap size error)がでますので、メモリを確保しましょう。
      1. 解決策(3)古いバージョンのデータローダがダウンロードされている可能性があります。バージョンを確認しましょう。
      1. 解決策(4)古いバージョンと新しいバージョンがどちらもダウンロードされていると起動しない可能性があります。確認しましょう。

 

(ケース3)レコードの更新時に文字化けする

解決策(1)データローダの設定画面上で [Read all CSVs with UTF-8 encoding] をチェックしてインポートを実行すると文字化けが発生します。
文字コードが「UTF-8」のCSVファイルでも、Excelなどで編集して保存すると「Shift-JIS」の文字コードのファイルになります。その場合は、[Read all CSVs with UTF-8 encoding] のチェックを外してインポートを実行してください。

 

また、データを登録した後のデータ分析のポイントについて解説しているこちらの資料「営業データ分析Salesforceで分析するための基本データ項目の考え方 ~基礎編~」と併せてご活用ください。

 

まとめ

今回は、Salesforceデータローダのインストール方法から実際の使い方までをご紹介しました。インポートウィザード以上に多様な機能を持っているデータローダですが、その分、操作方法や設定方法が複雑化しています。
データローダの設定をプロに代行してもらいたい、操作方法についてアドバイスしてもらいたいなどのご要望がありましたら、当社のSalesforce定着・活用支援に関するプロフェッショナルチームが実装の支援を行いますので無料相談からお問い合わせください。導入業務代行や定着支援は、短時間から試すことも可能です。

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