コラム詳細
はじめに
セラクCCCのSalesforce推進部のOです。近年注目が高まっている営業手法に「インサイドセールス」があります。非対面で行う営業活動であるということはよく知られていますが、具体的にどのような活動を指すのか?どのように導入すればいいのか?と理解できている方はそう多くはありません。
今回はインサイドセールスの概要、従来の営業活動との違いやメリットを解説し、インサイドセールスに必要なMAツール『Account Engagement(旧:Pardot)』や、導入前に準備するべきこと、実際に導入するまでの流れをご紹介します。
また、成功事例や失敗事例を踏まえて、どのように運用すればインサイドセールスの効果を最大限に発揮できるのかご説明します。
営業活動が伸び悩んで困っている、インサイドセールスの導入を検討されている方はぜひ最後までお読みください。
<受注獲得におけるインサイドセールスの役割>
インサイドセールスとは、内勤営業のことを指します。顧客のもとを訪問して営業活動を行う手法は「フィールドセールス」と言い、その対義語に当たります。インサイドセールスでは、主に電話・メール・ビデオ会議などを使用し、見込み客とコミュニケーションをとりつつ、商談へとつなげる役割を担います。
従来の営業との違いは、単純に訪問営業か内勤営業かという点もありますが、業務の目的も異なります。インサイドセールスの主な目的は、見込み客の発掘、見込み客の育成となっており、商談につなげた後の対応はフィールドセールスで行います。今まで営業担当者が担っていた見込み客へアプローチするプロセスを、インサイドセールス担当者に分担してもらうというわけです。
内勤型の営業と聞いて、「テレアポ(テレフォンアポインター)」を思い浮かべる方もいるでしょう。テレアポはインサイドセールスの手段の1つですが、テレアポがアポイント獲得数という1種類の指標だけを成果として評価するのに対し、インサイドセールスは企業がどのような営業戦略を取るかによって、成果とする指標が異なるという特徴があります。新規の見込み客の発掘を重視するならアポイント獲得数、既存の見込み客の育成を重視するなら契約更新率や売上を指標とします。
次に、なぜインサイドセールスが近年注目されているのかその理由をご説明します。
大きな理由として、次の3つが挙げられます。
<インサイドセールスが注目される理由>
理由(2) 新型コロナウイルスの影響
このことから、見込み客が自分の課題解決方法に合った商品を見つけやすいように、あらかじめ電話やメールなどを使って興味関心を把握し、見込み客の行動に沿うようなアプローチをすることが商談へつなげるために必須となったことも理由の一つです。
インサイドセールスと従来の営業活動の違いや、注目されている理由をご理解いただけたところで、インサイドセールスを取り入れるとどのようなメリット、デメリットがあるのかご説明します。
まずインサイドセールスを導入することにより、どのようなメリットがあるのか、数あるなかから代表的なものを5つご紹介します。
<インサイドセールス導入のメリット>
ここまで、インサイドセールスを導入するメリットをご紹介しましたが、導入することでデメリットが発生する場合もあります。ここでは、インサイドセールスを導入したことでよく聞かれるデメリット3つをご紹介します。
以上のように、導入の際には解決しなければならない課題もいくつかありますが、後述する事前準備をしっかりと行えば、業務の効率化や営業担当者の負担軽減など、デメリットを大きく上回るメリットがあります。
インサイドセールス導入のメリット、デメリットをご理解いただいたところで、実際にインサイドセールスの導入をする前に準備しておくことと、導入までの流れを解説していきます。
例えば、見込み客とメールや電話など非対面でコミュニケーションを取らなければならない場合が多く、相手の顔が見えないなかでやり取りができる能力が求められます。また、フィールドセールスよりも多くの見込み客を受け持つことになるため、情報整理力も要求されることになるでしょう。
そのため、営業担当者個人の能力を考慮したうえで、インサイドセールスに適した人材を配置、発掘しながら適宜組織体制を組み直しましょう。
インサイドセールスに限った話ではありませんが、新しく導入した物には様々な課題が発生します。逐一効果を測定し、計画を見直して、それぞれの営業部門に合った形に少しずつ最適化していきましょう。
ここまでご説明したように、インサイドセールスの導入には数々の事前準備が必要であり、導入後も継続的な改善が必要です。これらを全て行うには不安がある場合は、インサイドセールスの専門アウトソースを検討してみるのもおすすめです。
インサイドセールスを成功させるコツは、事前準備をしっかり行うことと、PDCAを回し続けることです。また、インサイドセールスにおいて最も重要とされるのは顧客情報の管理です。顧客の温度感や今までのやり取りなどをフィールドセールス担当者と緊密に情報共有することにより成果を上げることができます。
そのためにはMAツールを導入し、常に情報を最新かつ社内で共有できるようにすることをおすすめします。また、PDCAを回し続けることにおいてもMAツールは欠かせません。営業効率を数値化し、現状を把握し改善を行うことによりインサイドセールスを成功へと導きましょう。
MAとはMarketing Automationの略語で、「マーケティング活動を自動化し、可視化することで、業務効率を高めてくれる」ツールです。顧客一人ひとりのニーズやタイミングに合わせ、顧客の育成から成約に至るまでを効率的かつ効果的に行うこと、それがMAの目的であり、インサイドセールスの成果向上に役立ちます。
一言でMAツールといってもできることや強みはツールによって多岐に渡りますが、一般的には次の4つの機能を備えています。
統合型CRMプラットフォームであるSalesforceはMAツール『Pardot』を内包しており、Pardotは上記の機能を全て備えています。
PardotはSalesforceと連携して動くことを前提に設計されており、Salesforceに蓄積された見込み客のデータや営業活動の履歴などを扱え、SalesforceもPardotから営業データを取得、活用することが可能です。
この連携機能によって、インサイドセールスとフィールドセールスの各担当者の間でスムーズに情報共有ができ、営業活動を円滑に行えます。
既にSalesforceで顧客管理をされているお客様には、インサイドセールスに活用するMAツールとしてPardotの導入を強く推奨します。
MAについて、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
前章で、インサイドセールスの効果を最大化するためにAccount Engagement(旧:Pardot)の導入を推奨しましたが、実際にAccount Engagement(旧:Pardot)をインサイドセールスに活用するとどのような効果があるのか、その成功事例を4つご紹介します。
成功事例(1) ユーザの興味関心に合わせた営業手法でリピーターが増加
メール送信でリピーターが増加
A社では、Account Engagement(旧:Pardot)のリストメール送信機能を活用し、ユーザの属するカテゴリごとに最適なメールを配信できる仕組みを構築しました。まず既存顧客が自社ページをどのように閲覧しているのか、履歴データを収集し、ユーザの興味関心をカテゴリ分けしました。そのカテゴリに合ったメールやWP(ホワイトペーパー)を配信することで、リピーターを増加させることに成功しました。
成功事例(2) 失注状況を分析してアプローチ方法を改善
Account Engagement(旧:Pardot)でマーケティング活動の一部自動化
B社では、Account Engagement(旧:Pardot)を使うことでマーケティング活動の一部を自動化し、高度な分析を即座にできるようになりました。CRMツールに記録された過去の失注状況から原因を分析し(金額失注かなど)、アプローチ方法を変更した結果、一度失注した企業から発注を受けることができました。
成功事例(3) 営業成績を視覚化して現状の課題を特定、営業手法を改善
現状把握と課題改善で商談化率の上昇
C社では、Account Engagement(旧:Pardot)で営業成績を視覚化することにより、現状の把握と改善案の立案に具体的なデータを使えるようになりました。その結果、メールの開封率が低いことが分かり、メールタイトルの変更を実施したところ、開封率と商談化率の上昇に成功しました。
成功事例(4) 関心の高い見込み客を優先して育成、商談化率の向上や受注日数の短縮に貢献
スコアリングで顧客の優先度付け
D社では、メールの開封や資料請求の問い合わせなど、見込み客が取ったアクションごとにスコアを付与することで、顧客の温度感に沿ったアプローチを行い、商談化率の向上につながりました。また、温度感の高い顧客への対応スピードを上げることにより、受注日数を短縮させることにも成功しました。
インサイドセールスの導入には、成功すれば高い効果を感じられる反面、失敗例もあります。ここでは、発生しがちな失敗事例を2つご紹介します。
失敗事例(1) 事前準備を十分に行っていなかったことによる失敗
E社では、インサイドセールスが対応するプロセス、フィールドセールスが対応するプロセスを明確に決めていなかったため、片方に業務が集中。負荷が偏ってしまったことでインサイドセールス導入の効果が最大化できませんでした。
このような業務の偏りの他にも、KPIの目標設定が適切でなかったため達成できなかった、情報共有手段やツールが定まっておらず、せっかくの顧客との情報を利用できずに失敗、といった、事前準備が不十分だったことによる失敗例があります。
失敗事例(2) PDCAを回さず、失速してしまったことによる失敗
F社では、インサイドセールスの導入までは上手くできたものの、PDCAを回すことを怠ってしまい、改善が必要な部分を放置したまま業務を続けました。その結果、見込み客の関心とは全く関係のないメールを送り続けてしまい、メール開封率の低下を招き、結果としてアポイント獲得数の減少につながってしまいました。
さて、ここまでインサイドセールスのメリットやデメリット、導入方法や導入の難しさなどを解説してきましたが、インサイドセールスには専門アウトソースという選択肢があります。インサイドセールスは専門アウトソースと社内リソースでの対応どちらが良いのでしょうか?専門アウトソースのメリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。
インサイドセールスを専門アウトソースするとどのようなメリットがあるかご紹介します。主なメリットは次の3点です。
<専門アウトソースのメリット>
次に、専門アウトソースによってどのようなデメリットが発生するかを見ていきましょう。3つのデメリットと、それらを防止するための重要なポイントをご紹介します。
デメリット(3) 専門性が高すぎる商材だと教育に時間がかかる
取り扱う商材がニッチな物の場合、専門アウトソーススタッフに商材のことを教育する時間がかかってしまいます。そもそもニッチな商材はトラブルの際にインターネット上で解決策が出にくい場合もあります。
取り扱う商材が専門性の高い物ではなく、社内リソースが不足しているという状況であれば、専門アウトソースがおすすめです。 反対に、専門性の高い製品を扱っており、社内リソースに余裕がある、または長期的にインサイドセールスを行っていく予定があり社内に知見を深めたいと考えているならば自社で行うことをおすすめします。 自社で行う際にはインサイドセールスのコンサルティングなどを検討するのも一つの手でしょう。
ここまでの内容から、インサイドセールスの効果を最大限に発揮するためのポイントを6つにまとめました。常にこれらを心がけながらインサイドセールスを成功へ導いていきましょう。
今回は、インサイドセールスとは何か、従来の営業活動との違いや、導入するメリットとデメリットを解説し、成功事例と失敗事例を踏まえて成功の秘訣をご紹介しました。
インサイドセールスは従来の営業活動とは違い、見込み客の発掘や育成も行なうところが大事なポイントです。これによって、今までアプローチできなかった層にまでコンタクトを取ることが可能となります。現状の営業実績に満足できていない、コロナ禍において対面での営業に限界を感じているなどのお悩みの場合は、ぜひインサイドセールス導入をご検討ください。
セラクCCCではインサイドセールス成功のための技術的な支援を行っております。
インサイドセールスを短期間で成功させたい、効果を最大化させたい、などのご要望がございましたら、セラクCCCの300名(23年5月時点)を超える専門コンサルタントからなるプロフェッショナルチームが、必要不可欠なMAツールであるAccount Engagement(旧:Pardot)の導入を含めてお客様のインサイドセールスをサポートいたします。
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