コラム詳細
はじめに
Salesforceの活動オブジェクトを正しく把握することは、Salesforceがもつ能力を引き出し、多様なメリットを享受することに結びつきます。
本記事では「活動」の基礎知識と利用するメリット、設定の手順や活用シーンにあわせた実用事例について詳しく解説します。
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Salesforceの活動とは、営業や顧客対応に関するさまざまなアクションを追跡・管理するためのオブジェクトを指します。顧客に対する電話やアポ、メールなど、顧客接点となる業務に関する部分で、日々の営業活動などを記録する「行動(Event)」と、やるべきことを入力し、タスクを管理する「ToDo(Task)」2つのオブジェクトで構成されています。
営業活動や顧客対応が効率的に業務を行うために有効なオブジェクトで、活動オブジェクトには、営業活動のデータが蓄積されていきます。「活動」「行動」「ToDo」を簡単な図で示すと、以下のような関係になります。
<「活動」「行動」「ToDo」のイメージ>
活動のうち、開始・終了時間が決まっているものは行動オブジェクトとして管理するのが一般的です。たとえば「●●月〇〇日▲▲時~△△時に■■社と××会議室で打ち合わせ」のような情報をスケジュールとして管理したい場合、行動オブジェクトを用います。
つまり「行動」は、「ToDo」を完了させるために実施する「活動」であり、活動は他のユーザと共有できます。行動は、カレンダー機能を使った登録・確認が可能です。
行動の効率的な活用法として、レポート・ダッシュボード機能を用いた可視化があげられます。
訪問件数や電話の回数、面談結果などを可視化することで、各営業担当者の改善に役立ちます。
<行動オブジェクトの画面>
活動のうち、タスクやアクションを管理したいときに使用するのがToDoオブジェクトです。ToDoでは、明確なスケジュールを設定せず「今週中に●●社にアポを取る」「来週中に〇〇さんに▲▲の件の確認を取る」といった粒度で管理したいタスクを、取引先や案件レコードなどと紐づけて登録します。登録した各ToDoオブジェクトの進捗状況は「未着手」「進行中」「完了」などのステータスを用いて管理します。ToDoは、アラームの設定により対応漏れを防ぐことが可能です。優先度や緊急度にあわせたタスク管理が実現すれば、重要なタスクを見逃さずに済みます。
<ToDoオブジェクトの画面>
Salesforceのオブジェクトで活動と混同されがちなのが「活動の記録」です。登録時点で「行動」「ToDo」として登録されるオブジェクトの内容は、これから行う予定の営業活動を指しています。一方「活動の記録」では、事前に登録されていなかった行動や「ToDo」でも、実際に行った活動の内容を記録できます。たとえば、予定にはなかった突発的な顧客対応が発生した場合「△△社に電話連絡した」のように、具体的な活動の内容を「活動の記録」へ登録するようにしましょう。「活動の記録」のデータは、ToDoオブジェクトのレコードとして登録されます。
<活動の記録の画面>
Salesforceは営業活動や顧客管理を効率化するうえで必要なツールです。活動オブジェクトを適切に活用・管理した場合、さまざまなメリットがあります。
ここではSalesforceの活動を利用するメリットについて詳しく解説します。
日々の営業活動を活動オブジェクトとして登録することにより、顧客に対して予定しているアクションや、これまでの営業活動履歴を一覧で確認が可能です。さらに、成果の出ている営業活動と成果に結びつかなかった営業活動の内容も可視化によって比較しやすくなります。
営業活動の履歴を可視化することで、成果につながる営業がどのような活動をしてきたのか素早く把握できるのもメリットです。営業活動の管理や追跡が容易になることで、これまでの活動履歴を基に、最適な対応を判断しやすくなります。営業活動の効率化によって、素早く効率的な営業プランが導き出されるようになれば、組織の営業力強化にもつながります。
「行動」や「ToDo」を履歴として残し、リアルタイムで情報を共有できる環境が整っていれば、業務の引き継ぎもスムーズに行えます。情報が分散していると、収集に手間がかかるだけでなく、重要な情報の見落としや抜け漏れのリスク、戦略を誤るリスクも生じる可能性もあります。活動オブジェクトの活用は、こうしたリスクを回避するのに効果的です。
活動オブジェクトを使いこなすために、まず、「行動」や「ToDo」を設定する方法や活動のレイアウト変更などの基本的な操作を把握しておきましょう。
Salesforceには、いくつかの標準項目が用意されています。標準項目では対応できない情報を収集したい場合には、カスタム項目を使用することにより、自社独自のデータの保存が可能です。
項目の追加は、以下の手順で行います。
(1)Salesforceのホーム画面で「設定」をクリックし、次に「オブジェクトマネージャー」をクリックします。
(2)オブジェクトマネージャー画面のクイック検索ボックスに「活動」と入力して、表示された画面の表示ラベル「活動」をクリックしてください。
(3)「活動」オブジェクトページ左側の「項目とリレーション」をクリックし、次に「新規」をクリックしましょう。
<「項目とリレーション」をクリック>
(4)新規項目作成ページで、データ型の指定、項目名の設定、項目レベルセキュリティの設定を行い、さらに作成した項目を「行動」または「ToDo」のどちらに表示させるかにチェックを入れて「保存」をクリックします。
※「行動」「ToDo」の両方に表示させることも可能です。
<ページレイアウトに新規項目を追加>
以上で項目の追加が完了しました。
なお、行動オブジェクトとToDoオブジェクトには、カスタム項目を直接追加できません。そのため、活動で項目を作成し、それぞれに表示するという手順が必要です。
Salesforceには、オブジェクトごとにカスタマイズできるページレイアウトが用意されています。データ表示を自社の仕様にあわせて変更することにより、業務プロセスの効率化が実現します。
追加した項目のレイアウトを変更する手順は以下の通りです。
(1)Salesforceのホーム画面で「設定」をクリックし、次に「オブジェクトマネージャー」をクリックします。
(2)オブジェクトマネージャー画面のクイック検索ボックスに「行動」または「ToDo」と入力し、表示された「行動」または「ToDo」をクリックします。
(3)「行動」または「ToDo」オブジェクトページ左側の「ページレイアウト」をクリックし、レイアウト変更したい「ページレイアウト名」をクリックします。
<「ページレイアウト」をクリック>
(4)表示させたい項目やボタンをドラッグ&ドロップで配置し、終了したら「保存」をクリックします。
<レイアウトの保存画面>
以上がレイアウトの変更方法です。
なお、レイアウトを変更する際は、使いやすさにも配慮することが大切です。入力頻度の高い項目を上部にまとめて、入力が必須な項目はアイコンなどを使って目立つようにするなど、現場ユーザのニーズに応じて設計するようにしましょう。
実用事例を参考にすると、効果的な活用シーンや解消できる課題を具体的にイメージしやすくなります。必要に応じてマニュアルを整備するなどして、すべてのユーザが基本的な管理を行えるようにしておきましょう。
「行動」や「ToDo」の抜け漏れ防止には、アラームの設定が有効です。アラームは、Salesforceの個人設定画面から活動アラームの設定を変更すると使用できます。アラームを設定しておけば、リマインダーとして期日が近づいたときや経過したときに通知してくれます。
<アラーム設定の画面>
通常、活動に紐づけできる取引先責任者は1名とされていますが、Shared activitiesを活用することにより、最大50名までの紐づけが可能です。設定画面から活動設定の「ユーザが複数取引先責任者をToDoと行動に関連付けられるようにする」にチェックを入れると使用できます。
実際のビジネスシーンでは、一つの取引先に対して複数の責任者が存在することも珍しくありません。「活動」の紐づけ件数を増やせば、このような場合にスムーズに情報を共有できます。Shared activitiesの有効化は設定画面から簡単に実行できますが、無効化するにはSalesforceのサポートに依頼して設定を変更する必要があります。
自分が登録した「活動」を他のユーザのカレンダーに表示させることや、自分のカレンダーの編集権限を付与して共有することも可能です。これにより、チームリーダーやマネージャーはチーム内の活動を把握しやすくなり、上長はメンバーのカレンダーに行動を追加・変更できます。また、カレンダーの表示内容は、アクセス権限の設定によって細かく調整できます。
<カレンダーの画面>
繰り返し発生する「ToDo」があれば「定期的なToDoを作成する」項目をページレイアウトに追加してスケジュール化しましょう。この機能を用いれば、毎回同じ内容を入力する手間が省けます。たとえば、週次朝礼であれば「頻度:毎週」とし、開始日を「2024年●●月〇〇日~2025年▲▲月△△日」のように設定すると、期間中の週次朝礼が自動的にカレンダーに表示されるため、業務の効率化が可能です。
類似の機能に、開始・終了日を指定しない「ToDo」が繰り返し発生する際に利用する「定期的なToDoを作成」があります。たとえば「量販店に(定期的に)パンフレット■■部送付する」のようなタスクの場合、現在の「ToDo」の期日後または完了済みとなった時点で、次の「ToDo」が自動的に作成されます。
まとめ
Salesforceの活動は、チームの情報共有や営業効率の向上に貢献し、企業の営業活動に大きなメリットをもたらします。Salesforceを効果的に活用するためには、定着・活用支援サービスの導入を検討することがオススメです。
セラクCCCはSalesforce定着・活用支援トップクラスの公式コンサルティングパートナーとして、全国400社(2023年4月時点)を超える実績と300名(23年5月時点)を超える専門コンサルタントが在籍しており、内製化支援をはじめ複合的なクラウド活用のご提案が可能です。Salesforceの定着・活用支援や運用支援、トレーニングサービス、常駐・リモート支援など、さまざまな課題に対応できるサポート体制があります。Salesforceでのお困りごとがありましたら、当社カスタマーサクセスチームの無料相談から、ぜひお問い合わせください。
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