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Salesforceとは?主な種類やメリット、導入後の課題と対策を解説

2024年11月05日

  • Salesforce
  • Tableau
  • Account Engagement(旧Pardot)
  • Marketing Cloud
  • 使い方
  • 営業DX

はじめに
Salesforceは、世界のCRM市場でトップシェアを獲得しているクラウド型のCRMプラットフォームです。顧客情報を一元的に管理し、部門横断的な情報共有やデータを起点とする機能戦略を支援します。
本記事ではSalesforceの主な種類やメリット、導入後の課題と対策について解説します。

 

Salesforce (セールスフォース)とはクラウド型の営業支援プラットフォーム

Salesforce(セールスフォース)とは、顧客関係の統合管理に特化したクラウド型のCRM(Customer Relationship Management)ツールです。顧客企業の顧客マスタデータはもちろん、商談履歴や取引履歴などのトランザクションデータを一元管理し、顧客理解の深化を図ることで顧客にパーソナライズされたアプローチを実現できます。
Salesforceの特徴は、営業活動を効率化するSFA(Sales Force Automation)ツールや、マーケティング活動を支援するMA(Marketing Automation)ツール、データの可視化に特化したBI(Business Intelligence)ツールなど、CRMツールを基盤として複数のサービス群で構成されている点です。必要に応じてサービスを組み合わせることで、営業活動やマーケティング活動の幅広いビジネスニーズに対応できます。

 

Salesforceの種類|代表的な5つのサービス

Salesforceを構成している代表的なサービスは、以下の5つです。

 

  • ・Sales Cloud
  • ・Service Cloud
  • ・Marketing Cloud
  • ・Account Engagement
  • ・Tableau

 

Sales Cloud:営業活動支援

Sales Cloudは、営業活動の効率化・自動化を支援するクラウドシステムです。顧客情報や商談履歴の一元管理、提案書や営業レポートの自動作成、収益予測の自動化といった機能により、商談から成約に至る一連の営業活動を総合的に支援します。定型業務の自動化によって商談やクロージングに集中できると共に、データを起点とした営業戦略を立案できる点が大きなメリットです。

 

Service Cloud:顧客満足度向上

Service Cloudは、カスタマーサポートの分野に特化したクラウドシステムです。たとえば顧客の応対履歴を一元管理することで、全チャネルからの問い合わせに対して即座に顧客情報を紐づけられます。顧客との関係性に応じた個別対応が可能となるため、レスポンスの短縮や顧客満足度の向上につながる点がメリットです。

 

Marketing Cloud:マーケティング業務支援

Marketing Cloudは、マーケティング活動の効率化・自動化を促進するMAツールです。見込み顧客のセグメントやターゲットを絞ったSMSの配信、カスタマージャーニーマップの作成など、リードの獲得・育成・選別に欠かせない機能を提供します。それにより、顧客一人ひとりに対してパーソナライズされたアプローチが可能です。

 

Account Engagement:商談の最適化

Account Engagementは、リードの獲得や育成・受注確度のスコアリング・セグメントメールの配信・LPの作成などを支援するMAツールです。たとえばSalesforceの商談情報と連携することで、失注案件をリスト化して再アプローチを仕掛ける、見込み顧客の購買意欲に応じた営業戦略の策定ができます。

 

Tableau:世界最高峰の分析ツール

Tableauは、データビジュアライゼーションに特化したBIツールです。たとえばデータウェアハウスに保管された構造化データをグラフやチャートに変換することで、文字と数値の羅列でしかないデータを視覚的・感覚的に理解できます。それにより、データサイエンスの知識が希薄でも、可視化されたデータセットを通じて深い洞察を得られます。

 

Salesforce導入で得られる6つのメリット

Salesforceの導入によって顧客情報を一元管理できれば、以下にあげる6つのメリットを享受できます。

 

営業・マーケティング活動の効率が上がる

Salesforceは見込み顧客の商談状況や既存顧客の購買履歴などを一元的に管理し、収集・蓄積されたデータを顧客分析やマーケティング分析に活用できます。それによってナレッジを組織全体で共有できると共に、データを起点とする営業・マーケティング活動を効率的に推進できる点がメリットです。

 

情報の一元管理で部門間連携が強化する

Salesforceは顧客情報をひとつのプラットフォームに集約し、そのデータを各部門でリアルタイムに共有できる点が特長です。たとえば問い合わせ履歴の共有によって一貫したカスタマーサポートの提供や、獲得・育成・選別した見込み顧客を営業部門に引き渡すことなど、部門間連携の強化が期待できます。

 

顧客満足度の向上を期待できる

集約された顧客情報を分析することで顧客理解の深化につながる点もメリットです。顧客の潜在需要を発掘できれば、個別化されたアプローチによる顧客満足度の向上が期待できます。そのデータを共有すれば、製品やサービスの開発、改善にも役立てられます。

 

セキュリティを向上させられる

SalesforceはISO/IEC 27001やISO/IEC 27017など、国際標準のセキュリティ認証を取得しているサービスです。SaaS(Software as a Service)はパブリック環境でファイルを共有するため、セキュリティリスクを懸念する声が少なくありませんが、Salesforceは強固なセキュリティ環境でコンピュータリソースを管理できます。Excelやオンプレミスのシステムといった従来型の手法で顧客管理を行うよりも、セキュリティを向上させられます。

 

カスタマイズを柔軟に行える

Salesforceは機能の追加や拡張を容易に実行できるのもポイントです。一般的にクラウド型のサービスはオンプレミス型と比較してカスタマイズ性が低い傾向にあるといわれますが、Salesforceはダッシュボードやページレイアウト、ワークフローなどを自社の要件に合わせて柔軟にカスタマイズできます。

 

データドリブン経営を実現できる

Salesforceには顧客の商談履歴や購買履歴などのデータが集約されており、これらを活用して定量的なデータ分析にもとづく販売や広告宣伝を推進できます。組織全体がデータ駆動型の意思決定プロセスを採用することになり、勘や経験といった曖昧な要素に依存しないデータドリブンな経営体制を構築可能です。

 

データドリブンの秘訣についてはこちらのセミナー動画もあわせてご活用ください。

 

関連動画:データドリブンな営業の仕組み化の秘訣

 

Salesforce導入後によくある課題と対策

Salesforceは営業活動やマーケティング活動の効率化に貢献するシステムですが、いくつかの課題も存在します。とくに導入後に発生し得る課題としてあげられるのが、以下の4つです。

 

  • ・すぐには導入効果を感じられない
  • ・データ入力業務が定着しない
  • ・運用担当者の負担が増える
  • ・システム構築のコストが増える

 

すぐには導入効果を感じられない

Salesforceの導入直後はデータが蓄積されておらず、直接的な成果を創出しにくい傾向にあります。たとえば受注確度の高いリードをセグメントするためには、Webサイトの訪問履歴・メールの開封率・問い合わせ履歴・商談履歴・購入履歴などのデータセットが不可欠です。原則としてアウトプットの品質はインプットの量に比例します。そのため、Salesforceに合わせて業務プロセスやワークフローを再設計し、効率的にデータを収集する仕組みを整備、定着化させる必要があります。

 

データ入力業務が定着しない

Salesforceの運用初期はデータマネジメントの体制が浸透しておらず、データの入力業務が定着しないケースが少なくありません。データ量が不十分だと顧客情報の正確性が損なわれ、営業戦略の効果も低下します。このような場合、メンバーにSalesforceのメリットを理解してもらうことが重要です。正確なデータ入力がよい顧客体験をもたらし、効率的なセールスプロセスの基盤になることを具体例・データで伝えましょう。また、入力作業の負担を軽減するためには、データ入力のルールを策定すると共に、マニュアルの作成や研修制度の整備といった対策が必要です。

 

運用担当者の負担が増える

Salesforceの運用と通常業務を兼務する場合、業務負荷の増大によって労働生産性が低下する可能性に注意が必要です。たとえばSalesforceの顧客情報の新規作成や更新、商談進捗やフォローアップ計画などのデータ入力、キャンペーン設定といった作業が増えることで、提案資料の作成や顧客訪問などのコア業務に割くリソースが減少します。こうしたリスクを最小限に抑えるためには、Salesforceの専任担当者を配置し、兼務による業務負荷を軽減する必要があります。

 

システム構築のコストが増える

SaaSとして提供されるSalesforceは物理的なITインフラが不要で、システムの構築費用を安価に抑えられる点がメリットです。しかし各プランに応じた月額費用が1ユーザあたりに発生するため、事業規模の大きな企業ほど運用コストが増大します。また、機能の拡張によって追加のライセンス費用が発生し、導入前に想定していた運用コストを超過する可能性があります。そのため、導入計画時に企業の現状や参入市場の成長性を分析し、綿密な予算計画を立案することが大切です。

 

よくある課題について解説しているこちらの資料もあわせてご活用ください。

 

関連資料:Salesforce運用で陥りがちな5つの“落とし穴”

 

Salesforceの導入支援パートナーを選ぶポイント

Salesforceは企業の要件に応じたカスタマイズが可能ですが、最適な機能やプランを判断するのは容易ではありません。Salesforceの導入支援サービスを活用すれば、自社の要件に最適なプランを選定し、導入後の安定した稼働を確実にすることができます。導入支援パートナーを選定する際は、以下にあげる3つのポイントが重要です。

 

Salesforce公式パートナーであること

Salesforce公式パートナーとは、Salesforceの導入支援やライセンス販売などに関してSalesforce社から公式に認定された企業です。取り扱うサービスによって「コンサルティングパートナー」や「AppExchangeパートナー」などの種類があり、それぞれがSalesforceに関する高度な専門知識を備えています。公式パートナーはSalesforceのサービスに熟知しており、自社の業務要件やシステム要件に適した機能とプランの選定が可能です。

 

関連記事:Salesforce NavigatorプログラムのManaged Services分野においてExpert認定を獲得

 

導入・支援実績が豊富であること

Salesforceの導入支援パートナーを選ぶ際は、導入・支援の実績が重要な選定基準となります。システムの新規導入や移行では、データ移行の不備や各種設定の誤り、既存システムとの連携における不具合など、何らかのトラブルが発生するケースが少なくありません。導入・支援実績が豊富なSalesforce公式パートナーであれば、予期せぬ障害や突発的なトラブルに対して柔軟かつ適切な解決策の提案が期待できます。また、さまざまな成功事例をもつパートナーは、その経験を活かして多様なビジネスシナリオでの課題解決にアプローチが可能です。

 

サポート体制が整っていること

導入後のサポート体制も重要なポイントです。Salesforceの導入後はデータ入力の定着やユーザのトレーニングといった多くの課題が残っています。また、システムの不具合や設定の不備によって予期せぬ障害が発生するリスクもあります。そのため、定期的なシステムレビューやオンボーディング、常駐やリモート支援の可否、障害発生時の保守業務など、サポート体制の充実度を確認することが大切です。
Salesforceは顧客関係や営業活動の進捗などを一元的に管理し、顧客にパーソナライズされた顧客体験価値の創出を支援します。しかしSalesforceの導入には高度な知見が必要であり、さらにシステムの刷新・移行に伴うトラブルが発生しかねません。そのため、Salesforce公式パートナーが提供する導入支援サービスの活用を推奨します。

 

まとめ
Salesforceは、顧客情報を一元管理するクラウド型のCRMツールです。SFAツールやMAツールなどのサービス群で構成されており、各種機能を組み合わせることで、部門横断的な情報共有やデータ駆動型の機能戦略を支援します。Salesforceの導入は専門知識が求められるため、導入支援パートナーの選定が重要です。セラクCCCはSalesforce定着・活用支援トップクラスの公式コンサルティングパートナーとして、全国400社(2023年4月時点)を超える実績と300名(23年5月時点)を超える専門コンサルタントが在籍しており、内製化支援をはじめ複合的なクラウド活用のご提案が可能です。Salesforceの定着・活用支援や運用支援、トレーニングサービス、常駐・リモート支援など、さまざまな課題に対応できるサポート体制があります。Salesforceでのお困りごとがありましたら、当社カスタマーサクセスチームの無料相談から、ぜひお問い合わせください。

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