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Salesforceの外部連携|4つの連携方法とツールを紹介

2024年11月05日

  • Salesforce
  • 使い方
  • 定着・活用

はじめに
Salesforceは、高機能なSFA/CRMシステムですが、外部のシステムやツールと連携させることで、さらなる効果や利便性を強化できます。
本記事では、Salesforceの外部連携でできること、連携できるシステムやツール、連携のメリット・デメリットなどについて解説します。

 

Salesforce(セールスフォース)導入初期の活用について解説しているこちらの資料も、ご興味があればご活用ください。
関連資料:Salesforce活用で最初に絶対やるべき4つのポイント

 

Salesforceの外部連携でできること

クラウドベースの営業支援(SFA:Sales Force Automation )ツールや顧客関係管理(CRM:Customer Relationship Management)システムを提供するSalesforceは、基幹システムや周辺システムなどの外部システムと連携させることによって、業務をより効率的に運用できます。たとえば、MA(Marketing Automation:マーケティングオートメーション)ツールと連携すれば、 Salesforceを最新の販売データとの同期が可能です。また、 チャットツールのSlackを連携によって、取引先との商談スケジュールを通知で管理ができるため、商談後もスムーズに成約に結び付けられる可能性が高まります。カスタマーサポートツールと連携した場合は、顧客からの問い合わせ履歴を統合管理でき、顧客との信頼関係をより高められます。

 

Salesforceと連携できるシステム・ツール

Salesforceは、社内で稼働している基幹システム や、さまざまなクラウドサービス(SaaS:Software as a Service)と連携でき、幅広いシーンで活用できます。
ここではSalesforceと基幹システム、クラウドサービスと連携することで、具体的にどのように活用できるのかを解説します。

 

社内の基幹システム

社内の基幹システムとは、Javaや.NETなどの言語で開発された社内で稼働しているシステムや、某企業が提供するERP(Enterprise Resources Planning:企業資源計画)システムなどのことを指します。このほかにもビジネスをより効率的に進めるための会計システムや在庫管理システム、販売管理システムなども含まれます。
Salesforceとこれらの外部システムが連携することで、データ加工の自動化による人材コストの削減や迅速な意思決定、情報の集約化による精度の高いデータ分析やきめ細かい顧客対応、情報の一元化によるヒューマンエラーの防止などが可能です。ただし、社内で稼働しているシステムと連携させる場合には、連携対象がファイアウォールの内側のため、ファイアウォールを通過するための設定変更や、セキュアな通信経路の確保など相応のハードルが存在することを留意しておく必要があります。

 

クラウドサービス(SaaS)

Salesforceと連携できるクラウドサービス(SaaS)には、代表的な例としてクラウドプラットフォームであるHerokuやAWS(Amazon Web Service)、Microsoft Azureなどが挙げられますが、さらに、SlackやZoomなどの営業支援ツール、Zendeskなどのカスタマーサポートツール、X(旧Twitter)やFacebookなどのSNSも連携させることが可能です。
これらの連携により、リアルタイムの情報更新によるミスコミュニケーションの防止、複数のチャネル対応によるシームレスな顧客対応、業務プロセスの自動化によるコスト削減や競争力強化など、多くのメリットが生まれます。

 

Salesforceを外部連携させる4つの手法

Salesforceを外部連携させるには、 Salesforce Data Loader(データローダ)、 API連携、データ連携ツール(EAI/ETL)、データ連携クラウドサービス(iPaaS)の4つの手法があります。

 

1. Salesforce Data Loader(データローダ)を使用する

Salesforceが提供しているデータの読み込み/書き出しを行うためのツール「Salesforce Data Loader」を使用し、外部のシステムやツールを連携させる方法です。この方法ではCSV(Comma Separated Values:項目間がカンマ(,)で区切られたテキストデータ)形式のファイルで外部のシステムやツールとのデータの受け渡しを行います。
データローダについてはこちら(Salesforce「データローダ」の使い方やインストール方法は?)を参照ください。

 

メリット
Data Loader(データローダ)のメリットは専門知識をあまり必要としないことです。専門知識をもつエンジニアでなくても、データの同期を行えます。たとえばCSVファイルをアップロードするだけで、外部システム・ツールにデータを一括取り込みさせることが可能です。システム開発が必要ないため、そのためのコストと時間を大幅に節約できます。

 

デメリット
Data Loader(データローダ)は、CSVファイルによるデータの受け渡しが前提になっているため、リアルタイム連携には不向きです。また、連携先がCSVの読み込み/書き出しに対応していない場合はCSVファイルの書き出しができず、利用できない場合があるため注意が必要です。
CSVファイルをSalesforceにインポートする際にも外部で書き出したCSVの項目を整理する場合もあるので、データ量が多い場合に作業工数を要することもあります。

 

2. API連携を行う

API連携は、外部連携を行う方法としては一般的なもののひとつです。 Salesforceに紐付けられたWeb API(Application Programming Interface)を外部から呼び出します。Salesforceでは12種類のAPIを提供(2024年4月現在)していますが、SOAP APIやREST API、Apex SOAP API、Analytics REST API、GraphQL APIなどから目的に応じてAPIを選択し、接続することで連携できます。
SalesforceでAPI連携を行う方法についてはこちら(Salesforce APIとは?連携する目的や12種類の特徴を解説)を参照ください。

 

メリット
Web APIは、Salesforceが公開しているガイドをもとにコーディングを行うので、ゼロから開発する必要がなく、開発コストを削減できます。また、自社の要件に合わせて開発が可能なため、柔軟な機能拡張が行えます。他のシステムとのやり取りもできるため、リアルタイムでのデータ連携の実現が可能です。

 

デメリット
API連携を行う際は、プログラミング知識が必要です。専門のエンジニアを確保する必要があり、その分開発コストがかかります。また、それにともない、属人化の問題にもつながりやすくなるだけでなく、自社でコントロールできないAPIに修正があった場合は、対応に時間がかかり業務に大きな支障をきたします。

 

3. データ連携ツール(EAI/ETL)を使用する

EAIとはEnterprise Application Integration(企業アプリケーション統合)の略で、EAI自体がハブの役割を果たし、社内で稼働している複数システム内のデータ連携や統合を行います。
ETLとは、Extract(データの抽出)、Transform(データの変換)、Load(データの読み込み)の頭文字から取られた略語で、仕様の異なるシステム間の連携を図るために、必要なデータをSalesforceから抽出・変換して格納先へ書き出しを行い、外部システムで読み込めるようにします。

 

メリット
データ連携ツール(EAI/ETL)を使用する場合、プログラミングの知識は不要です。データの変換や振り分け先の指定をノーコードで行えるため、専門家でなくても連携作業ができるのがメリットです。ただ、基幹システムのデータを扱う以上、一定以上のプログラミングやデータ処理の知識を有する人材がいるとより安心です。また、加工や変換などはすべて自動で行われるので工数を削減できます。
ETLと比較すると、EAIは大容量のデータ処理を高速で行え、データをリアルタイムに処理できるのが強みです。ETLは大容量データの転送やフォーマット変換が強みで、システム負荷を軽減できます。

 

デメリット
データ連携ツール(EAI/ETL)は、ツールの導入や運用コストがかかります。操作自体は容易で、高度な専門知識がなくてもツール連携は可能ですが、基幹システムのデータを扱う以上、一定以上のプログラミングやデータ処理の知識を有する人材の確保は必要です。
また、ツールには初期コストもかかります。ツールは従量課金制であることが多いため、連携するツールの数や種類、データ量によっては大きなコストがかかる点に注意が必要です。

 

4. データ連携クラウドサービス(iPaaS)を使用する

iPaaS(Integration Platform as a Service)とは、複数のクラウドサービスやオンプレミスシステムを連携させるためのサービス(ソフトウェア)のことです。データローダによるCSVファイル取り込みやAPI連携もiPaaSを介して行えます。

 

メリット
多くの場合、ローコードまたはノーコードで開発できるため高度な専門性が必要なく、連携フローを短時間で構築できます。専門家が必要ないことで属人化を防げる点もメリットです。また、もともと複数のシステム間を仲介するサービスであるため、データ競合(同じデータを異なるシステムが同時に変更する問題)や不整合(データが一致しない問題)の発生リスクが低い点もメリットです。加えて、iPaaSは、比較的多くのシステムと連携できます。代表的なiPaaSとしてはMake(旧Integromat)やZapierがありますが、Makeでは1,000以上のシステム(サービス)と、Zapierでは5,000以上のシステムと連携することが可能です。

 

デメリット
iPaaSは連携の対象となるサービスがAPIを提供していることが前提です。そのためAPIが提供されていないサービスとは連携ができません。
開発はローコード・ノーコードで行えますが、iPaaSには特徴の異なる4つのタイプ(ETL型、EAI型、ESB型、レシピ型)があります。それぞれの機能や特徴、システム連携についてよく理解し、用途に応じたタイプの選定などができる人材の確保が必要です。
また、クラウドとオンプレミス間は、セキュリティの観点からファイル転送などの方法を用いることがほとんどです。そのため、オンプレミスとの連携が弱い場合は使用が難しくなります。

 

Salesforce連携時に確認しておきたいこと

Salesforceと外部のサービスやツールを連携させる際は、データ形式、連携頻度、データ容量の3つを確認しておく必要があります。

 

データ形式

Salesforceと連携させるシステムのデータ形式を確認します。どのようなデータを連携させたいのかによって、先に紹介した連携方法のうち、どの方法が適しているのかが異なります。たとえば、項目数や変換数などの多いデータの場合は、データ連携ツール(EAI/ETL)の利用が選択肢のひとつです。

 

連携頻度

事前に連携頻度やタイミングを明確にしておく必要があります。求められる頻度は毎時なのか、毎日(日次)なのか、毎週(週次)なのか、データ処理のタイミングはバッチ処理(定期的に大量のデータをまとめて処理)か、リアルタイム処理(データをリアルタイムで即時処理)かなどを確認し、適した方法を選択することが重要です。Salesforceが提供している12種類のAPIによって、データ処理方法はそれぞれ異なります。

 

データ容量

連携させるデータの容量を確認します。1回の連携でどの程度のトラフィックが発生するのかは、十分に試算しておく必要があります。とくにAPI連携を行う場合には、データ量や実行頻度が制限されることには注意が必要です。制限を超過してしまうとデータ処理は行われません。たとえばSOAP APIの場合、1回のコールで作成または更新できる最大レコード数は200まで、最大バッチサイズは2,000レコードまで、などといった制限が設けられています。

 

まとめ
Salesforceの外部連携には4つの方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。よく理解したうえで、自社に最適な連携システム・ツールおよび連携方法を選択しましょう。
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