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Salesforce「Trailhead」とは? 特徴や使い方、利用するメリットを解説

2023年04月13日

  • Salesforce
  • 使い方

はじめに
セラクCCCのSalesforce推進部のAです。Salesforceについて「もう少し実務で便利な機能を覚えたい」「機会があれば勉強したい」と考えている方も多いのではないでしょうか。Salesforceの公式Helpページ上で使い方や機能を調べることは可能ですが、スキルを習得するための学習に取り組みたい方にとって最適とは言えません。
少しの空き時間を活用してSalesforceの理解を深めたい方や、将来的にSalesforce関連の資格取得を考えているのであれば、Salesforceのオンラインプラットフォーム「Trailhead(トレイルヘッド)」を活用した勉強法がおすすめです。本記事では、Trailheadの概要と活用するメリット、基本的な使い方を解説します。

 

Salesforce「Trailhead (トレイルヘッド)」とは

セールスフォース社が提供している学習用のオンラインプラットフォームがTrailheadです。テーマ別の記事や小テスト、実習などが用意されており、学習を進めるごとにバッジやポイントが獲得できる仕組みになっています。

これにより、現在のスキルレベルや進捗など自身の学習状況を把握しやすいため、ゲーム感覚で楽しみながらSalesforceについて学べます。

 

インターネットにアクセスできる環境さえあれば、時間や場所を選ぶことなくTrailhead に接続できることに加え、無料で利用できるのもポイントです。さらに、TrailheadのコンテンツはSalesforceの機能更新に従って更新されるため、常に最新情報を得られます。

 

Salesforce「Trailhead」の特徴

Trailheadは、初心者からプロフェッショナルまで幅広い層が活用できるオンライン学習サービスです。利用を開始する前に、2つの大きな特徴について確認しましょう。

 

Trailblazerランクが付与される

Salesforceでは、企業のDXを推進し、革新に挑戦する方を「Trailblazer(トレイルブレイザー:先駆者)」と呼んでいます。Trailheadでの学習の達成度に応じて、バッジやポイントが得られるようになっており、獲得数に応じて「Trailblazerランク」が付与されます。

 

以下に、各ランクとそれぞれに必要なバッジ・ポイント数をまとめました。

 

  • SCOUT=バッジ:0/ポイント:0
  • HIKER=バッジ:1/ポイント:200以上
  • EXPLORER=バッジ:5/ポイント:3,000以上
  • ADVENTURER=バッジ:10/ポイント:9,000以上
  • MOUNTAINEER=バッジ:25/ポイント:18,000以上
  • EXPEDITIONER=バッジ:50/ポイント:35,000以上
  • RANGER=バッジ:100/ポイント:50,000以上
  • DOUBLE STAR RANGER=バッジ:200/ポイント:10万以上
  • TRIPLE STAR RANGER=バッジ:300/ポイント:15万以上
  • FOUR STAR RANGER=バッジ:400/ポイント:20万以上
  • FIVE STAR RANGER=バッジ:500/ポイント:25万以上
  • ALL STAR RANGER=バッジ:600/ポイント:30万以上

 

このようなランク機能の採用により、受講者は学習の進捗状況やSalesforceの理解度を正しく把握できます。

ゲーム感覚で楽しく学習を進められるため、途中で飽きることなく着実にスキル習得を目指せる点もTrailheadの魅力です。

 

Salesforceのアップデートにあわせて学習内容も最新版に更新される

Trailheadの学習用コンテンツは、Salesforceが年に3回実施する機能更新と同時にアップデートされます。

学習内容が常に最新の状態に保たれているため、学習内容が古いことに気づかないまま間違った知識を学んでしまい、タイムロスが生じるといった問題は起こりません。

 

また、最新のSalesforceを使うために必要なコンテンツも定期的に追加されます。

このように、学習に集中できる環境が整っているのも利点です。Trailheadを活用すれば、Salesforceの最新機能を使いこなすために必要なスキルをいち早く習得できます。

 

Salesforce「Trailhead」の学習方法の仕組み

 


<モジュールとプロジェクト、トレイルの構造>

 

Trailheadには、3つのコンテンツが設けられており、ユーザの目的にあわせて選択できます。

Salesforceのスキル習得に向けて効率よく学習を進めるために、それぞれの違いをよく理解し、自身に適した学習法を選択するようにしましょう。

 

モジュール(Module)

Salesforceの基本的な機能、各ツールの機能などがトピックごとにまとまったものをモジュールと言い、それぞれのモジュールはさらに単元へと分かれています。モジュールの単元がすべて完了し、選択形式のテストと対話式のチャレンジを実施すると、ポイントを獲得できます。テストやチャレンジでは、単元や操作方法の理解度を確認する内容が出題されます。

 

トレイル(Trail)

トレイルは、モジュールの組み合わせにより構成されています。受講者の仕事内容や、必要なスキルにあわせた学習カリキュラムを利用できるため、習得したいスキルが明確に把握できている場面でトレイルを活用すると、学習効率がアップします。

 

プロジェクト(Project)

受講者のスキル習得に向けて、効率よく学べる実践演習がプロジェクトです。プロジェクト内に示された操作手順を確認しながらSalesforceの理解を深められるため、効率よくスキルを習得することができます。プロジェクトで使用するSalesforce環境は「Trailhead Playground」と「Developer Edition」の2つです。それぞれの特徴は以下の通りです。

 

Trailhead Playground
Trailhead専用に用意された環境。学びたいスキルに集中して動作環境を確認できる。

 

Developer Edition
開発者用に無償提供されている。本番環境に影響を与えず動作確認することが可能。

 

トレイルミックス(Trail Mix)

トレイルミックスとは、カスタムカリキュラムを作成できる機能です。受講者の目的に適したトレイルやモジュール、プロジェクトを自由に選択して作成できます。また、作成したトレイルミックスは他の受講者と共有できるため、Trailhead上で学ぶ仲間と一緒にSalesforceのスキルアップに向けて学べます。

 

Salesforce「Trailhead」で学習するメリット

受講者の目的やこれまでの経歴に適した学び方を見つけられるTrailheadには、6つのメリットがあります。Trailheadの多様なメリットを享受して、キャリアアップにつなげましょう。

 

完全無料で学べる

Trailheadは、完全無料で学べるオンラインプラットフォームです。そのため、高い授業料を支払って外部から講師を呼んだり、有料のセミナーに参加したりせずに必要なスキルを獲得できます。

 

興味のある内容・好きなタイミングで学習をはじめられる

Trailheadは、ひとつのテーマごとに構成されています。簡単な単元であれば、15~30分程度で読み終えられるため、どこからでも学習をはじめられることがTrailheadの強みです。

 

関連する情報はまとめて整理されているので、興味のある単元から学びはじめ、関連するモジュールやプロジェクト、トレイルヘと学習範囲を拡大していくことで効率よく必要なスキルを身に付けられます。

スマホアプリもリリースされているため、場所や時間を問わずに空いた時間を利用し、効率よく学習を進められます。

 

最新かつユーザに最適な内容を学べる

上述したように、Salesforce「Trailhead」の学習内容や追加コンテンツは、Salesforceのアップデート状況と連動しています。そのため、紙ベースのテキストでは実現できない最新且つリアルタイムな学習が可能です。

また、ユーザの特性に合わせた学習内容を提案してくれる機能も搭載しており、どこから手を付けるべきか悩むことなくスムーズに学習をはじめられます。

 

質問や情報共有のためのコミュニティがある

Trailheadには、学習用コンテンツだけでなく「Trailblazer Community」と名付けられた質問・相談専用のコミュニティが設けられています。日本語のコミュニティも存在するため、自主学習で課題となりやすい「誰かに相談するのが難しい」という悩みも、Salesforceユーザ同士のコミュニティを活用することにより解消できるはずです。

 

スキルの証明になる

Trailheadの学習過程では、テストやチャレンジの実施によってバッジやランクを獲得できます。

バッジやランクは、スキルの証明として履歴書に記載できるので、認定試験を受けていなくても自身の能力を証明できます。

 

Salesforceの各種認定制度の更新試験が無料で受けられる

TrailheadをSalesforce関連の認定資格に利用するのも有効な手段です。各資格に関連した内容がトレイルとしてまとめられているため、試験対策の学習にも適しています。

また、Salesforceの認定資格保有者が、認定資格の維持を目的にTrailheadを活用するケースも多々あります。

 

この場合、資格を維持するには、Trailheadで定められた更新モジュールを1年に1度完了しなければなりません。これまで、更新のための試験は有料でした。しかし、Trailheadアカウントと受験アカウントをリンクしてモジュールを完了すれば、Salesforceの資格維持に必要な試験が無料で受けられます。

 

Salesforce「Trailhead」の利用開始手順

Trailheadを利用するには、アカウントの登録が必須です。

はじめに、Trailhead公式サイト上部にある「サインアップ」をクリックします。登録に利用できるアカウントは以下の5つから選択できるようになっています。

 

  • ・メールアドレス
  • ・Googleアカウント
  • ・LinkedInアカウント
  • ・Apple ID
  • ・Facebookアカウント

 

アカウントの登録が完了したら、次はプロファイルの設定です。入力が必要な項目は、以下の通りです。

 

  • ・氏名
  • ・プロファイルURL
  • ・会社名
  • ・役職
  • ・ロール名
  • ・Salesforceとの関係性
  • ・国名

 

最後にチェックボックスにチェックを入れ、契約に同意すればアカウントの作成が完了します。

 

Salesforce「Trailhead」の便利な+α機能

Trailheadの使い方に慣れてきたら、さらに応用的な使い方で学習効率をアップさせることも可能です。

TrailheadにはSalesforce専用の練習環境が用意されています。プロジェクトにおける操作手順の実習に使用されている環境ですが、自身の学習成果をもとに自由な設定を試す目的で活用することも可能です。

 


<名前を付けて作成ボタンをクリックするだけの簡単操作>

練習環境を作成するには、まず、Webブラウザの右上のアカウントから「ハンズオン組織」を選択します。次に「Playgroundを作成」に進み、名前を付けたのちに「作成」ボタンをクリックすれば完了です。

練習環境で何かしらのエラーが発生する際は、以前の設定との重複や干渉が原因と考えられます。このようなエラーが出た場合、新たに別の練習環境を用意すると解消できるケースが大半です。

 

また「myTrailhead」という有料サービスを使い、TrailheadとSalesforceを連携する方法もあります。この機能を用いれば、Salesforce上にTrailheadの学習課題と期限の表示や、Salesforceから直接Trailheadにアクセスするといったことも可能です。

 

たとえば「myTrailhead」を活用すると、マネージャーは複数名のスタッフが学習している進捗状況をダッシュボード上で把握できるようになります。トレーニング状況と業務成績をひとつの画面で確認できるため、伸び悩むスタッフをスムーズにフォローできるなど、さまざまなメリットを享受できます。

 

まとめ
Salesforceには多くの機能が搭載されており、自身の仕事に必要なスキルを習得して使いこなすのは決して簡単なことではありません。Trailheadは、興味関心の高いテーマから学習をはじめられることに加え、自分のペースにあわせて学習できるなど、自主学習を継続できる環境が整備されています。無料で利用できるため、学習コストを抑えながら正確な情報をいち早く取得でき、必要なスキルを身に付けられるのもTrailheadの魅力です。Salesforceのスキルアップに向けて、これから学習に取り組もうと考えているのであれば、さっそくアカウント登録からはじめてみましょう。

 

また、社員教育に関するお悩みがあれば、無料相談からお問い合わせください。スタッフの自主学習に任せるだけでなく「基本的な操作について社内研修の機会を作ってボトムアップを図りたい」「Trailheadを使ったSalesforceの効率的な学習方法を、部署や担当業務ごとに知りたい」などさまざまなお悩みをサポートします。セラクCCCの300名(2024年6月時点)を超える専門コンサルタントが、お客様のSalesforce学習やスキルアップを支援します。また、こちらの「セラクCCCを知る2点セット」も参照ください。

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