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Salesforceのコミュニティ「Experience Cloud」とは? 使用するメリット、使い方を紹介

2024年06月26日

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はじめに
セラクCCCのSalesforce推進部のNです。Salesforceのコミュニティ「Experience Cloud」は、さまざまなシーンで活用できるツールです。本記事では、Experience Cloudの概要や主な機能、コミュニティの活用例、導入するメリットなどについてわかりやすく解説します。

 

Salesforceのコミュニティ構築ツール「Experience Cloud」とは

「Experience Cloud(旧:Community Cloud)」は、Salesforceのデータベースを利用して、WebサイトやWebポータル、Webアプリケーションを手軽に作成できるツールです。このツールを使用することで、従業員、顧客、販売店、協力会社など、さまざまなユーザと情報を共有するためのオンラインコミュニティを構築できます。

 

Experience Cloudを利用することで、専用のIDやパスワードを通じて顧客やビジネスパートナーの限定的なアクセスを許可できます。これにより、自社製品やサービスなどに関する情報を安全に共有でき、従業員と外部の顧客やパートナー間で迅速に情報交換を行えるだけでなく、営業活動の効率化やサポートコストの削減などが可能です。

 

コミュニティの使用例

コミュニティは自社商品やサービスの販売促進に効果的です。コミュニティ内で販売店をはじめとしたパートナー企業と、自社商品やサービスの隠れた魅力や効果的な販促手法、アプローチ方法などを共有することによって、販売店の売上アップや自社の利益向上が期待できます。

 

商品やサービスの改善に役立つヒントを得られることもコミュニティ活用のメリットのひとつです。Experience Cloud用のカスタマイズツールであるExperience Builderによって、顧客同士の交流や意見交換のためのコミュニティを作成することも可能で、顧客のリアルな声の収集に役立ちます。顧客の意見や使用後の感想などから得られる情報は、自社では気づけなかった商品・サービスの問題点の抽出につながるため、貴重です。商品・サービスの何を改善すべきか、顧客が真に求めているものは何か、といったことも把握できます。

 

Salesforceサイトとコミュニティ(Experience Cloud)の違い

Salesforceサイトは、ログイン不要で誰もが利用できる公開Webサイトを構築・管理するためのシステムです。用意されたプラットフォームを利用することで、Webサイトやカスタムページを作成できます。たとえば、顧客の集合知によって疑問を解決に導くFAQサイトや商品カタログサイト、従業員募集ページなども作成することが可能です。

 

一方、コミュニティ(Experience Cloud)は、社内外の人々とさまざまな情報を共有するためのクローズドなポータルサイトであり、一般公開されるWebサイトではありません。IDやパスワードを共有することによって、自社の顧客や取引先などとのコラボレーションを図れます。

 

Customer CommunityとPartner Communityの違い

Experience Cloudには3種類のエディションがあります。顧客向けとして提供されているのがCustomer CommunityとCustomer Community Plusで、販売店や協力会社などのビジネスパートナーを対象としているのがPartner Communityです。Customer Communityは取引先および取引先責任者の情報を、Customer Community PlusではさらにToDoや行動とカレンダー、レポートなどの情報を共有することが可能です。

 

Customer CommunityとCustomer Community Plusを活用すれば、顧客にサブスクリプションサービスの更新・解約などの情報を速やかに提供し、オンライン上で質問を受け付けて、回答するといったことも容易で、事務作業の効率化とコミュニケーションの円滑化を両立できます。

 

一方、Partner Communityでは、自社従業員とビジネスパートナーとの間での顧客情報なども、コミュニティ内に情報をアップロードするだけで速やかに共有できます。電話やメールでは手間と時間が必要ですが、Partner Communityを活用すれば、手間も時間も大幅に削減できます。

 

Salesforceのコミュニティ構築ツール「Experience Cloud」の主な機能

Experience Cloudは、コミュニティの構築を容易にする多彩な機能を備えています。ここでは、とくに重要な「パーソナライズ」「テンプレート」「カスタマイズ」の3つの機能について詳しく解説します。

 

パーソナライズ

パーソナライズとは、個々の顧客の属性や行動履歴を分析し、それに基づいてカスタマイズされた商品やサービスを提供する手法です。これは現代のマーケティングで非常に重視されています。Experience Cloudのパーソナライズ機能を使うと、CRMで管理されているデータをもとに、顧客ごとに最適な情報を提供できます。これにより、チーム内での戦略的な議論が促進され、より効果的なマーケティングアプローチを見つけることが可能になります。

 

テンプレート

コミュニティサイトを一から作るには時間と労力がかかります。Experience Cloudには、使い勝手と見栄えのよいサイトを手軽に構築できる多様なテンプレートが用意されています。たとえばイベントページやランディングページ専用のマイクロサイトテンプレート、顧客が求める情報に簡単にアクセスできるカスタマーサービステンプレートなどがあります。これらのテンプレートを利用することで、高度なITスキルがなくても効率的にサイトを構築できます。

 

カスタマイズ

テンプレートを使用する場合でも、画像やテーマカラーを自由に設定でき、自社ブランドやパーソナルカラーに合わせたサイトを作成できます。Experience Builderを使用すると、ドラッグ&ドロップの操作で簡単にWebサイトをデザインできます。さらにテキストボックスを使って文字の配置やサイズを調整すれば、サイトのレイアウトが完成します。Experience Builderを利用すれば、ノーコードまたはローコードで自動化やカスタマイズが可能です。たとえば、顧客からの問い合わせがあった際に即座に担当者に通知するメール転送システムも簡単に設定できます。

 

Salesforce「コミュニティ(Experience Cloud)」のメリット

Experience Cloudの導入によって得られる主要なメリットを解説します。

 

販売店との関係性強化につながる

Experience Cloudでは、商品の価格、在庫状況、リード、顧客の行動履歴などの情報(オブジェクト)を公開することにより、販売店とリアルタイムで共有できます。この情報共有により、販売店の営業活動を効率化でき、自社の売上や利益の向上につながります。また、デジタルツールを活用して販売店との関係を強化することは、訪問や電話、メールに比べて時間やコストの節約にもなり、ビジネスプロセスを大幅に効率化します。

 

顧客体験(CX)の向上につながる

Experience Cloudを運用することで、顧客体験が向上し、顧客満足度やロイヤルティが高まります。コミュニティ内で直接顧客と対話できるため、顧客の意見や不満を即座に捉え、適切な対応が可能です。このように迅速で個別化された対応は、サービスの改善につながり、長期的には企業の評価向上やブランド強化に効果的です。

 

【活用例】Salesforce「コミュニティ(Experience Cloud)」の使い方

販売店などのビジネスパートナーを対象とした情報共有サイトや、会員向けの専用サイト、顧客自らが疑問を解消できるFAQサイトなどの構築・運用に利用できます。

 

販売店向けポータルサイト

リードや既存顧客、商品の在庫や価格など、Salesforceで管理している情報を販売店と共有するためのポータルサイトの構築・運用に利用できます。一般公開はせず、ログインIDやパスワードを付与されたユーザのみがアクセスできるクローズドのポータルサイトです。

 

Salesforce上で管理されている情報には、機密性の高いものも多く、これらの情報をクローズドとはいえ、ポータルサイトへ公開することに抵抗を感じる従業員・ビジネスパートナーも少なくないでしょう。Experience Cloudでは、データの暗号化をはじめ、クリックジャック保護の有効化、サイトユーザの認証などによって高いセキュリティレベルを実現しており、機密性の高い情報であっても安全に公開できます。

 

会員向けの専用サイト

顧客などを対象にした、会員向け専用サイトの構築・運用にも適しています。ログイン機能を実装することによって、ログインIDやパスワードをもたないユーザは利用できないため、安全な環境のもとでの活発なコミュニケーションが期待できます。

 

そのほかにも、Web面談の予約サイトのような構築・運用も可能です。セキュアな環境で、予約の受け付けやスケジュールの調整、案内の送付などを行えます。金融機関の口座開設申し込みサイトの構築にも適しています。口座開設のようなサイトでは、機密性の高い個人情報を数多く扱うため、高い安全性が求められます。Experience Cloudなら、セキュアで安全性の高いサイトを構築・運用できます。

 

FAQサイト

Salesforceナレッジとの連携によるFAQサイトの構築・運用も可能です。情報の公開範囲を指定できるため、自社の従業員や顧客、販売店など、対象に応じたFAQサイトを作成できます。たとえば、顧客向けのFAQサイトを構築すれば、問い合わせ件数の低減が期待できます。顧客が自身で疑問を解決する可能性が高くなり、コールセンターなどへの問い合わせの減少、オペレーターの負担が軽減されます。回答が得られるまでの顧客の待ち時間も減り、速やかに疑問が解消されるようになるため、顧客満足度の向上にもつながります。

 

Salesforceのコミュニティに関するよくある疑問

よくある疑問のうち、「Salesforceのコミュニティとは何?」と「Salesforceでコミュニティを作成する方法は?」についてお答えします。

 

Salesforceのコミュニティとは何?

Salesforce公式の「Trailblazer Community」、もしくはExperience Cloud(旧Community Cloud)を指します。Trailblazer Communityは、Salesforceのユーザ同士が情報交換を行える場所です。世界中のユーザや開発者に対してSalesforceに関する質問や相談ができます。オフラインイベントも定期的に開催されています。Experience Cloudは、社内外の人々とクラウド上で情報共有できる場所、またはそうしたサイトを構築する仕組みのことです。労力をかけずに、見栄えがよく、機能性に優れたポータルサイトを構築でき、セキュアな環境下でさまざまな情報を共有できる点が大きな特徴です。

 

Salesforceでコミュニティを作成する方法は?

ここでは、Salesforce Classicでコミュニティを作成する方法を解説します。まず、「設定」を選択後、「クイック検索」フォームにコミュニティと入力します。次に「すべてのコミュニティ」→「新規コミュニティ」と進みます。使用したいテンプレートを選択して、任意のコミュニティ名をつけます。「コミュニティを作成」→「私のコミュニティを作成」と進めば完了です。

 

まとめ
Salesforceのコミュニティ構築ツール「Experience Cloud」は、Webサイトやポータル、アプリケーションの簡単な構築を可能にし、社内外の情報共有を強化します。顧客との直接的なコミュニケーションを通じて顧客体験を向上させ、販売店との関係強化やサービス改善に貢献します。

 

Salesforceの活用において特化しているセラクCCCでは、300名(2023年5月時点)を超える専門コンサルタントが在籍し、お客様視点でのサポートサービスを提供しています。「Experience Cloudでコミュニティサイトを構築したいが、自社だけでは難しい」などのお悩みがある場合には、セラクCCCに相談することで効果的な解決策が得られます。ぜひ当社カスタマーサクセスチームの無料相談 から、お問い合わせください。

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