コラム詳細
はじめに
セラクCCCのSalesforce推進部のNです。企業の規模が大きくなると顧客からの要望や苦情などの問い合わせが増えます。問い合わせ対応を効率化し、迅速に解決したい営業企画・経営企画・システム担当者にご紹介したいのがSalesforceのケース機能です。
本記事では、ケースとは何か、どのように使うのか、主な機能や設定方法について解説します。
他にも、Salesforceの活用(特に導入初期)について気になる方は、こちらの資料「Salesforceを活用で最初に絶対やるべき4つのポイント」もご活用ください。
Salesforceのケースとは、Salesforceに基本機能として搭載されているオブジェクトのひとつで、顧客からの問い合わせを管理する機能をもちます。企業の商品・サービス内容にもよりますが、顧客からの問い合わせは、質問や要望など、内容は多岐にわたります。
しかし、多数ある問い合わせ内容を、1人の担当者もしくはチーム単体ですべて処理するのは大変です。Salesforceのケースはこのような場面で、問い合わせ内容によって担当者の振り分け、担当チームの変更、変更時の通知などあらゆるパターンに役立つ機能を備えています。少ない人的リソースで問い合わせを管理できるため、業務の効率化が見込めます。
まず、チャネルでケースの種類を選びます。次に、そのケースに対する「キュー」や「ユーザ」を設定して担当者を定義します。ここでいう「キュー」とは、特定のユーザまたは複数のユーザをグループ化したものを指します。
最後は、クローズに向けた作業です。設定されたキューやユーザに所属するユーザ全員にメール送信するなどの定義づけの作業を行います。
<Salesforceのケースのイメージ図>
Salesforceの主な機能は新規ケースの作成・管理、自動レスポンスルール、担当者への割り当て、進捗状況の確認、解決策の提示です。それぞれの機能とその種類について解説します。
顧客からの問い合わせを電話、メール、問い合わせフォーム、チャットなど発生元別にさまざまなチャネルから新規ケースとして作成・登録し、管理できる機能です。問い合わせフォームから自動でケースを作成するWeb-to-ケースと、メール送信から自動でケースを作成するメール-to-ケースとがあります。
それぞれの概要やメリット、設定について解説します。
Web-to-ケース
Web-to-ケースは、顧客がWeb上のフォームから問い合わせなどの情報を送信すると、自動的にケース起票されるシステムです。HTMLの基本的な知識があれば、容易にフォームを作成できます。
設定方法は以下の通りです。
メール-to-ケース
メール-to-ケースは、顧客がメールを送信すると自動的にケースが起票されるシステムです。問い合わせトラッキングを簡略化できるため、対応スピードを向上させられます。
また、対応状況が可視化されるため、情報の透明性が高まります。さらに、データ収集と分析が容易になることもメリットです。
設定方法は以下の通りです。
自動レスポンスルールは新規ケースが作成された直後に顧客に自動で回答を送信する機能です。Webフォームに登録や問い合わせした見込み客に「ご登録(お問い合わせ)ありがとうございます」のようなメールを自動返信し、自社の社員が受信の通知を受け取れます。
「担当者から折り返しご連絡しますのでしばらくお待ちください」などお詫びや今後の対応などを自動で伝えることも可能です。
自動レスポンスルールは「Web-to-リードフォーム」で取得したリード、または以下で送信されたケースに対して作成できます。
設定の流れとしては、自動レスポンスルールページで新規をクリックし、ルール名を入力、ルールの有効化をした後、処理順序やルール条件を入力したルールのエントリを作成します。自動レスポンスメッセージの送信者に名前とメールアドレスを入力後、場合によって送信先アドレスを入力し、メールテンプレートを選択し、保存して完了です。
ケースが作成された後、適切な担当者への割り当てが必要です。この割り当ては、問い合わせの内容や担当者のスキル、実績に基づき自動的に行われます。
担当者の割り当てには「ケース割り当てルール」「ケースチーム」「エスカレーションルール」「オムニチャネル」という方法があります。以下では、それぞれの方法の概要とメリット、設定方法について解説します。
ケース割り当てルール
ケース割り当てルールを用いた場合、ケースの種別に応じて自動的に担当者の割り当てることが可能です。
このルールにより、問い合わせの初期対応が迅速になります。また、手動での割り当てにかかる時間と労力を削減し、ケースの処理速度の向上が期待できます。
設定方法は以下の通りです。
ケースチーム
ケースチームは、特定のケースに対して複数のユーザがチームとして参加し、各ユーザに特定の役割と権限が与えられる機能です。
この方式を利用することで、複数の担当者が協力してケースを効率的に解決することが可能です。
似た機能にケースキューがありますが、ケースキューは担当者が未確定のケースを一時的に特定のグループが引き受けるための機能です。
その後、グループの誰かにケース所有者を変更することで担当者が確定します。
ケースキューでは所有者のみがアクセス可能となりますが、ケースチームでは割り当て後、チームの全員がケースにアクセスできます。
そのため、ケースが増えても人的リソースを効率的に活かしながら解決を目指せます。
設定方法は以下の通りです。
エスカレーションルール
エスカレーションルールは、割り当てられたケースの経過時間や特定の条件に基づき、他の担当者に自動的に再割り当てを行う機能です。
担当者が長期休暇などで不在の際にも、エスカレーションルールによりケースのクローズが早まり、顧客対応が滞りなく行えます。
設定方法は以下の通りです。
オムニチャネル
オムニチャネルは、ユーザの業務負荷に応じてケースや作業項目の担当を自動的に振り分ける機能です。
この機能にはルーティング、スキルベースのルーティング、オムニチャネルフローの3種類の転送方法があり、スキルに基づいて転送先を選択し、担当者に優先的に割り当てることが可能です。
作業項目の優先度を設定することで、重要な作業への迅速な対応が可能です。
また、業務量を適切に管理し、処理可能な作業量をユーザに割り当てることで、効率的な業務運営が行えます。
設定方法は以下の通りです。
サポートプロセス機能として、ユーザが顧客の問い合わせのケースを作成し、管理、解決するまでのプロセスを確認することが可能です。
顧客からの問い合わせが現在、どの部署でどのような状況で処理されているのか、ケースはクローズしているか、クローズしていなければどの状態にあるのかなどを追跡できます。
顧客からの問い合わせの対応にタイムラグがあると、企業としての信用・信頼を損ないかねません。
サポートプロセス機能ですべての問い合わせの進捗状況に滞りがないように管理することで顧客サービスを向上させ、満足度を高められます。
サポートプロセスの設定はクイック検索でサポートプロセスを検索し、新規ボタンをクリック後、名前を入力して保存します。
詳細画面で使用する選択リストを設定すれば完了です。
顧客からの問い合わせに対して、情報を集めたドキュメントやソリューション記事、ケースの過去の解決事例などを共有し、解決策を提示できます。
具体的には知識ベースを共有するナレッジと、ケースの事例を参照できるケースフィードの2種類です。それぞれの概要とメリット、設定方法について要点を解説します。
ナレッジ
Salesforceの「ナレッジ」とは、ケースの解決に役立つ製品サポート情報やよくある質問への回答などの情報を保存する場所を指します。ケースの解決内容を記事としてまとめ、共有することで、同様のケースが発生した場合でも迅速に解決できるようになります。
社内でマニュアルなどを共有する使い方のほか、カスタマーサポートの補助ツールとしても役立ちます。
ケースにナレッジを表示させる方法は以下の通りです。
ケースフィード
ケースフィードとは、顧客とのメールや電話のやり取りや、社員のコメントなど、あらゆる情報の履歴が表示される場所です。フィード条件を設定すれば、顧客とのやり取りだけを表示させるなどの使い方もでき、参照したい情報を容易に検索できます。
ケースフィードからメールを作成することも可能であるため、問い合わせに対して迅速に対応でき、顧客の信頼獲得やブランド力強化にもつながります。
標準フィード条件の設定方法は以下の通りです。
カスタムフィード条件の設定方法は以下の通りです。
Salesforceのケースを使用している方から届く質問のうち、よくある内容をピックアップして解説します。
ユーザを新しく追加する場合は、管理者とユーザそれぞれで以下の操作が必要です。
管理者の操作
ユーザの操作
ケースの状況の項目にクローズの選択肢が表示されない場合は以下の手順で操作します。
ナレッジはケース内だけでなく、顧客への返信メールに添付できます。以下は、ナレッジの記事をメールに添付するための手順です。
まとめ
Salesforceのケースとは、顧客からの問い合わせを効率的に管理し、解決するためのシステムです。このシステムでは、新規ケースの登録、自動レスポンス、進捗の可視化などを通じて、顧客サービスの効率を高めることが可能です。
自社だけでの活用が難しい場合、Salesforceの導入と活用に特化しているセラクCCCに相談することをオススメします。
セラクCCCはSalesforce定着・活用支援トップクラスの公式コンサルティングパートナーとして、全国400社(2024年6月時点)を超える実績と300名(24年6月時点)を超える専門コンサルタントが在籍しており、内製化支援をはじめ複合的なクラウド活用のご提案が可能です。Salesforceの定着・活用支援や運用支援、トレーニングサービス、常駐・リモート支援など、さまざまな課題に対応できるサポート体制があります。Salesforceでのお困りごとがありましたら、当社カスタマーサクセスチームの無料相談から、ぜひお問い合わせください。他にもオブジェクトについて解説しているこちらの資料「オブジェクトSalesforceの中でどんな役割?カスタムオブジェクト作成手順」もあわせて活用ください。
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