コラム詳細
はじめに
顧客管理のためのCRMツールとして、圧倒的なシェアを誇るSalesforce。ただ、“名前は聞いたことがあるけれど、なぜそれほど人気があるのか知らない”“Salesforce活用によるメリットが判らない”という方も、意外に多いのではないでしょうか。そこで今回は、Salesforceの機能の概要と、導入によって得られるメリットについて紹介します。CRMツール導入を検討中の方は必見です。
「Salesforce(セールスフォース)」は、米国カリフォルニア州に本社を置くセールスフォース・ドットコム社が提供するCRM(顧客管理)ツールで、国内だけでも約5,000社、世界では15万社以上が導入している世界トップシェアのソリューションです。
中心となる機能が“顧客情報の見える化”なので、本コラムでは「CRMツール」という呼び方をしていますが、営業活動の生産性向上につながる多彩な機能を有しているので、すでに活用しているユーザにとっては、「SFA(営業支援)ツール」と呼んだ方がしっくりくるかもしれません。
マーケティング・営業・コマース・サービスなど、導入企業のすべての部署で、顧客1人ひとりの情報を一元的に共有できるほか、部署ごとに分散した社内システムやデータの統合・連携、業務に関するさまざまな知見のリアルタイム共有・AI活用によるワークフローの自動化など、あらゆる業種・企業規模に対応できるカスタマイズ性と拡張性をもつ「統合型CRMプラットフォーム」。それが、Salesforceなのです。
本社はアメリカですが、日本国内のユーザに対しては、(株)セールスフォース・ジャパン(2022年2月に社名変更/本社:東京都千代田区)がユーザサポートを担当しているので、海外のクラウド型ASPにありがちな“ヘルプページはすべて英文”といった心配もありません。
Salesforce社が提供する各種プロダクト(サービス)を選択することで、非常に多彩な活用法が可能になる…。これも、Salesforceが世界トップシェアの人気を誇っている理由の1つです。
たとえば、クラウド型CRM/SFAである「Sales Cloud」や、コンタクトセンターなどの業務を支援する「Service Cloud」など、ユーザの業種・業態に応じたプロダクトを活用します。その結果、単に顧客管理だけではなく、業務全体の効率化や営業実績の向上などが期待できるようになるのです。以下に、各プロダクトの機能を紹介します。
Sales Cloud(セールス クラウド) | |
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特徴 | 見込み客の情報管理から一連の営業活動の効率化と成約率向上をサポート |
メリット |
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<Sales Cloudの説明>
「Sales Cloud」は、CRMとSFAをパッケージングしたクラウド型サービスで、見込み客の情報管理から商談開始~進捗状況確認~成約まで、一連の営業活動の効率化と成約率向上をサポートしてくれます。
顧客管理機能は、顧客名や連絡先などの基本情報はもちろん、過去の取引実績や現在の営業状況、社内ディスカッションの内容など営業活動に関わるあらゆる情報を包括的に記録できます。
また、見込み客に関してはさまざまなチャネルでの情報を正確にトラッキングし、それに対応すべき担当部署の割り当ても行えるので、迅速なフォローアップが可能です。FacebookやTwitterなどのSNS情報とも紐づけられるため、顧客への理解が深まる点も大きな特徴と言えるでしょう。
Service Cloud(サービス クラウド) | |
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特徴 |
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メリット |
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<Service Cloudの説明>
顧客へのカスタマーサポートを効率化させ、高品質なカスタマーサービスの実現をサポートするプロダクトが「Service Cloud」です。問い合わせ対応に必要な情報と対応フローを整備し、的確な回答や情報提供を通じて顧客満足度向上を目指せます。
コンタクトセンターやヘルプデスクへの電話問い合わせ以外にも、メールやWebサイト、SNSなど多様な問い合わせチャネルに対応でき、部門間での情報連携もスムーズ。チャットボットなど、ユーザの自己解決率を高めるWeb上のコミュニティを公開することもできます。
なお、オペレーターが残した対応履歴は、テキストを元に類似ケースと自動的に紐づけられるので、問い合わせ対応のスキル共有に役立ちます。
Marketing Cloud(マーケティング クラウド) | |
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特徴 | 顧客1人ひとりの属性やライフサイクルに合わせた対応を行えるようにする |
メリット |
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<Marketing Cloudの説明>
メール、ショートメッセージ、SNSなど、顧客向けのアプローチ手法は多様化しています。その中でも、顧客1人ひとりの属性やライフサイクルに合わせた最適な対応を行えるようにするのが「Marketing Cloud」です。
顧客向けマーケティングのコンテンツはドラッグ&ドロップで簡単に作成でき、多数のコンテンツをあらかじめストック可能。個々の顧客の行動をトラッキングし、最適なタイミングでコンテンツを送信します。
アプローチに対する顧客側の反応が可視化できるので、マーケティング結果の分析にも役立ち、より効果的なマーケティング手法を検討できます。SNSとの連携機能もあり、自社製品やサービス、競合製品に関するSNS上の投稿も簡単に集約できます。
<Marketing Cloud Account Engagement (Pardot)>
Salesforce Platform(セールスフォース プラットフォーム) | |
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特徴 | 自社に合った独自アプリケーションを開発するプロダクト |
メリット |
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<Salesforce Platformの説明>
「Salesforce Platform」は、自社に最適な独自アプリケーションを開発するためのプロダクト。社内向けの業務用アプリケーションはもちろん、顧客の要望に応じた顧客向けアプリケーションも自由に開発できるので、業務効率化と同時に顧客満足度向上も期待できます。自社で開発した独自アプリを、既存の自社Webサイトと連携させることもできます。
顧客情報を部門全体で共有できること、顧客ごとに最適なタイミングでセールスアプローチをかけられること、営業活動の進捗を可視化して分析できることなど、Salesforce導入により得られるメリットは数多くあります。
ただ、どのようなクラウドサービスにも共通して言えることですが、社内での定着率が上がらずに導入効果が得られなければ、利用コストがムダになるばかりでなく情報入力のためにかかった時間と労力までムダになってしまいます。メリットばかりではなくデメリットまでご理解した上で導入計画を策定するのが、Salesforceの機能をフル活用する秘訣と言えるでしょう。
営業活動の効率化
Salesforceを活用することで、営業に関わるスタッフ個々の動きが可視化できるため、成果が上がっていない場合の改善点などが見つけやすくなります。
営業ノウハウの共有
営業に関わる全スタッフの活動情報が共有できるので、営業成果が上がっている要因や効果的だったセールスプロモーションを部署全体のノウハウとして、蓄積しやすくなります。
教育コストの削減
時間とコストが必要な新人教育も、Salesforceで営業資料などを共有することにより、資料準備などの労力削減が可能です。また、データを見ながら“自習”できる体制を整えれば、研修時間とコストの削減にもつながります。
顧客満足度の向上
Salesforceを活用して顧客情報を管理・共有することで、顧客ごとのニーズが把握しやすくなります。人事異動などで営業担当者が変わった場合も、過去データの確認によって従前と変わらない対応が可能です。
社員評価の適正化
Salesforceの「営業活動を見える化」する機能の1つが、目標管理・進捗管理機能です。目標や実績のデータを分析・管理することで、社員を適切に評価できるようになります。
セキュリティ精度が高い
拡張機能である「Salesforce Shield」を導入することで、顧客情報などを記録しているプラットフォームの暗号化が可能となり、セキュリティを大幅に強化できます。暗号化以外にも、「イベントモニタリング」というアクセスログ機能もあります。
自由度が高い
前述したように、「Sales Cloud」「Service Cloud」「Marketing Cloud」など、特定の業務分野に特化したプロダクトが準備されています。そのため、業種や企業規模に関わらず、導入した企業にとって最適な活用法が生み出せます。
システムに馴染むまでは時間が必要
データを活かしてこそ、Salesforceを活用する効果が見えてくるので、一定量のデータが蓄積されるまでは導入成果も現れにくいのが実情です。そのことが、継続的に活用するうえでのマイナスポイントとなる場合があります。
初期入力作業の煩雑さ
膨大かつ広範なデータを蓄積できるだけに、Salesforce導入当初は入力すべき項目や情報が非常に多く、入力担当者にCRMやSFAに関する一定の基礎知識がないと、入力作業がはかどらない場合も少なくありません。
定着しにくい場合もある
データ入力項目を細分化するほど、詳細な分析やきめ細かな顧客フォローが可能になりますが、その分、入力作業には一定のスキルと時間が必要になります。入力作業が追いつかず、いつまでも導入成果が現れないと、いつの間にか誰も使わなくなるリスクがあります。
機能拡張により利用コストも増加
顧客管理、営業活動支援、カスタマーサポートなど、複数分野のプロダクトを準備しているのがSalesforceの強みです。しかし、無計画に機能拡張すると、当然ながら毎月の利用コストも嵩んできます。
前項で、Salesforce導入のデメリットについて紹介しましたが、しっかりした導入計画と入力担当者の意識付け、費用対効果を考えた機能拡張プランの作成を行えば、解決できるものばかりです。Salesforceを導入する際の注意点とポイントについて紹介します。
導入の目的を明確にする
どのようなビジネスツールにも共通して言えることですが、導入目的を明確にせずに使用しても、ツール導入による効果を発揮させることはできません。さらにいうと、業務における動きを管理されることに抵抗のあるスタッフが多いと、“営業活動の見える化”というSFAの主要メリットさえムダになってしまいます。
企業全体の業務が改善できれば、スタッフ個々の働きやすさ向上も実現できる…という導入目的を、全社的に浸透させることが大切です。
管理者を立てる
Salesforceを活用することで得られるメリットは、個人レベルから各部署レベル、全社レベルまで多岐にわたりますが、高レベルでのメリットは、職長級や経営層でなければ判りにくいものです。
スタッフ個々の動きと業務改善の進捗状況、“見える化”したことで浮上した問題点などを分析する管理者(責任者)を置き、各スタッフに対して細かくフィードバックすることで、Salesforceがどれだけ有効であるかを全スタッフに納得させることが可能です。
定着支援を導入する
「やってみせ、言って聞かせて…」という著名な言葉があるように、各部署の上司が率先してSalesforceを活用し、業務における活用を各スタッフに指示し、スタッフが自ら使いこなす意識を共有することが大切です。
スタッフがSalesforceの扱いに慣れていないうちは、積極的に使いこなそうとするスタッフに対し、なんらかのインセンティブを設けるのも効果的です。単に導入するだけではなく、全社的に使いこなせるようになってこそSalesforceの真価が発揮されるのです。
国内のCRMツール市場でNo.1のシェアを誇るSalesforceですが、導入準備が不十分だと、メリットだけではなくデメリットもあることがご理解いただけたでしょう。
Salesforceの導入方法・定着支援などのお困りごとがございましたら、セラクCCCの無料相談からお問い合わせください。セラクCCCには300名(23年5月時点)を超える専門コンサルタントが在籍し、それらの問題を解決するため、お客様の視点に立ってSalesforceの定着・活用支援サービスを行っています。効率的なSalesforce活用について、セラクCCCのカスタマーサクセスチームにお気軽にご相談ください。
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