コラム詳細

Salesforceの「ライセンス」とは? 自社にあった選定のコツ

2023年04月13日

  • Salesforce
  • 使い方

はじめに

全世界で15万社以上が導入し、日本国内のCRM(顧客管理システム)・SFA(営業支援システム)市場においても、トップクラスのシェアを誇る「Salesforce」。あらゆる業種で活用できる汎用性と高い拡張性が、多くの企業に導入されている最大の要因と言えます。ただ、その拡張性の高さゆえ、“いわゆる”ライセンスの種類も細分化されており、導入を検討してはいるものの、自社に合っているのはどのライセンスなのか、お悩みのシステム担当者も多いのではないでしょうか。そこで今回は、Salesforceのライセンスの種別と、それぞれの特徴についてご紹介します。

 

Salesforceのライセンスの基本構成について

冒頭で「“いわゆる”ライセンス」という書き方をしましたが、その理由は、Salesforceのライセンス構成と、通常のオンプレミス型ソフトウェアやASPのクラウドサービスで用いられる「ライセンス」という言葉の意味合いとが若干異なっているからです。

 

「プロダクト」ごとの「エディション」が設定されている

Salesforceには、事業別・目的別にさまざまな「プロダクト」が準備されており、プロダクトごとの料金設定があります。また、プロダクト内で使用できる機能や容量の上限によって「エディション」という区分があり、こちらも段階別に料金設定されています。プロダクトとエディションを選択すれば、自社業務でSalesforceが使えるようになるので、この2種類が、一般的な意味合いでのライセンスに該当すると言えます。
プロダクトとエディションが、契約企業ごとに振り分けられる利用権限であるのに対して、Salesforceの「ライセンス」は、企業(または団体)内の、さらにユーザ単位で振り分けられる権限です。詳細は後の項目でご紹介しますが、付与されたライセンスによって使える機能(許可されるアクセス権限)が異なります。
同じ組織内で異なるライセンスを混在させられるので、こちらは部署内の役割や職責に応じて振り分けるのが一般的です。

 

Salesforceの「プロダクト」の特徴について

Salesforceの「プロダクト」とは、同製品のCRMとしての基本機能を軸にして、さまざまな拡張機能を付加した“業種別強化ツール”と言えます。
代表的なものとして、クラウド型SFA/CRMである「Sales Cloud」、コールセンターやカスタマーサポートなどの業務を支援する「Service Cloud」、自社業務に合わせた独自アプリケーションが開発できる「Lightning Platform」などがあり、導入企業の業種・業態に合わせたプロダクトを活用することで、業務全体の効率化や営業成果の向上などが期待できるようになります。

 

代表的なプロダクトの特徴

Sales Cloud

 


<Sales Cloud>

 

商談・見積もり・注文・契約管理など、営業活動を強化するためのSFAプロダクト。営業活動に関する情報の一元管理、営業プロセスの標準化や自動化、AI化などが主な機能です。
営業情報の一元管理により、顧客や担当者の管理はもちろん、商談内容や見積もり、契約までを集約して管理できるようになります。
リード(見込み顧客)を開拓するためのイベントやセミナー、キャンペーンなどを管理する「キャンペーン管理」や、開拓したリードを管理するための機能も備わっています。また、Excelなどで分散管理していたデータを一元化できて、業務フローの統一などプロセスの標準化・自動化が見込める点も大きな特徴です。
さらに、近年さまざまな分野で活用されているAIを利用した「売上予測」機能も、Sales Cloudが持つ大きな特徴と言えます。

 

Service Cloud

 


<Service Cloud>

 

Service Cloudを活用することにより、カスタマーサポートの効率化と品質向上、CTI連携やナレッジの蓄積による顧客満足度向上などが期待できるようになります。
ちなみに「CTI連携」とは、電話とパソコンを連携させて統合・制御するシステムのことですが、Service CloudでCTI連携を行うと、オペレーターは、受電後すぐに表示される顧客情報を確認しながら対応することができます。また、“よくある質問”を「ナレッジ」に蓄積しておけば、問い合わせ内容に応じて関連性の高いナレッジを自動表示できます。
メール・電話・チャット・SNS・ビデオ通話など、さまざまなチャネルにおけるカスタマーサポートを円滑化するための機能が充実しており、特に「サービスコンソール」機能を使うと、顧客情報・問い合わせ内容・対応状況などの情報を単一画面で確認できるので、サポート対応の効率化が実現できます。

 

Lightning Platform

 


<Lightning Platform>

 

Lightning Platformの活用により、自社業務に合わせた独自アプリケーションが開発できます。前述のSales CloudやService Cloudは、営業支援やコールセンター業務支援のための多彩な機能を備えたプロダクトですが、「そこまで多くの機能は必要ない」「むしろ、自社業務に必要な最小限の機能を使いこなしたい」というユーザも少なくはないでしょう。
その場合、『Salesforceの基本機能+Lightning Platform』で設計した、自社専用の業務支援アプリの方が、日常業務における使い勝手が良好かもしれません。
カスタマイズに適した拡張性・柔軟性もLightning Platformの特徴で、Service Cloudなどのプロダクトを選択しても足りない機能がある場合、自社独自にカスタマイズして業務で使えるようにできます。
必要な基本機能を備えた「Platform Starter」と、あらゆる部門のビジネスプロセスをデジタル化できる「Platform Plus」の2エディションが設定されており、利用価格はStarterが3,000円/ユーザ/月、Plusが12,000円/ユーザ/月(利用価格は税抜き、月額で表示していますがユーザごとの製品はすべて年間契約)です。

 

他にも多くのプロダクトが

ご紹介したもの以外にも、チームコミュニケーションツールであるSlackと連携し、マーケティングを強化できる「Marketing Cloud」、Eコマースプラットフォームである「Commerce Cloud」、AIを活用した分析で状況に即したデータが簡単に得られる「CRM Analytics」などのプロダクトが準備されています。
さまざまなプロダクトと、高い自由度で独自アプリケーションが設計できるLightning Platformとの組み合わせにより、どのような業種・業態にもマッチさせられる点が、Salesforceの最大の魅力と言えるでしょう。

 

ユーザ単位の「ライセンス」とは?

前述のようにSalesforceの「ライセンス」は、Salesforceの利用契約を結んだ企業や団体内のユーザ単位で割り当てられる“使用権限”で、付与されるライセンスにより使える機能が異なります。「ユーザライセンス」、「権限セットライセンス」、「機能ライセンス」の3カテゴリに大別され、下記のような違いがあります。

 

ユーザライセンス
ユーザがアクセスできる機能の基準を決めるもので、1ユーザに1ユーザライセンスが割り当てられます。プロファイルと、必要に応じて1つ以上の「権限セット」を使用して、データアクセス用のユーザ権限を割り当てます。

 

権限セットライセンス
ユーザライセンスに含まれていない機能へのアクセス権を、任意のユーザに部分的に付与します。権限セットライセンスは、ユーザに対しいくつでも割り当てることができるので、さまざまなツールや機能を使用するための権限をユーザに割り当てる上で便利な方法です。

 

機能ライセンス
機能ライセンスでは、MarketingやWDCなど、ユーザライセンスに含まれていない追加機能へのアクセス権がユーザに付与されます。機能ライセンスも、1ユーザに対していくつでも割り当てることができます。

 

自社に合ったライセンスの選定方法は?

Salesforce導入にあたり、最初の課題となるのが「自社に合ったライセンス選定」だと言えます。繰り返しになりますが、Salesforceの場合、どのプロダクトのどのエディションを選ぶか…という判断が、一般的に言う「ライセンス選定」に該当します。

 

自社業務とプロダクトの機能はマッチしているのか?

「Sales Cloud」には営業活動に関する情報の一元管理や営業プロセスの標準化、「Service Cloud」にはカスタマーサポートの効率化と顧客満足度の向上、そして「Lightning Platform」には最小限の機能とカスタマイズに適した拡張性・柔軟性…といった具合に、それぞれのプロダクトが特徴的な機能を持っているので、自社の業務内容に合ったプロダクトを検討することが重要です。
その上で、自社の企業規模や事業展開の状況に合ったエディションを選択する必要があります。先ほど、Lightning Platformには2種類のエディションが設定されていることをご紹介しましたが、Sales CloudとService Cloudには「Essentials(3,000円/ユーザ/月)」「Professional(9,000円/ユーザ/月)」「Enterprise(18,000円/ユーザ/月)」「Unlimited(36,000円/ユーザ/月)」のエディションがあり、当然ながら、上位エディションほど使える機能や使用容量の上限が増える一方で、年間の利用コストも上がります。
自社業務とプロダクトの機能がマッチしていなかったり、“分不相応”なエディションを選択したりすると、コストがムダになる可能性もあります。次の項目でご案内しますが、Salesforceの導入に際してライセンス選定にお悩みの場合は、「プロに相談する」というのも賢明な選択肢と言えるでしょう。

 

まとめ

本記事では、Salesforceのライセンスについて解説していきました。Salesforceには特徴的なプロダクトがあり、利用可能な機能を決めるエディションが設定されています。さらに、各種アドオンが準備されているので、特に強化したい機能がある場合はアドオンによって機能を追加することも可能です。
多くの選択肢がある分、自社が求めている機能がどんなもので、その機能を備えている「ライセンス」がどれなのかを認識しておかないと、導入してはみたものの定着しない…といったことになりかねません。
Salesforce導入に向けたライセンス選定についてお困りの場合も、お気軽にセラクCCCの無料相談からお問い合わせください。セラクCCCには300名(23年5月時点)を超える専門コンサルタントが在籍し、お客様側の視点から、Salesforceの導入から定着、活用支援サービスを行っています。効率的なsalesforce活用を、セラクCCCのカスタマーサクセスチームがサポートいたします。

Salesforceでお悩みなら、
まずはお気軽に
お問い合わせください

  • TOP
  • コラム一覧
  • Salesforceの「ライセンス」とは? 自社にあった選定のコツ

Salesforceでお悩みなら、
まずはお気軽に
お問い合わせください