コラム詳細
はじめに
ECサイトに限らず、自社の商品やサービスをアピールするWebサイトをもっている企業であれば、どのようなプロスペクトが、どのような経路で自社サイトを訪れたのか、気になるところでしょう。そのような時に活用したいのが、Account Engagement(旧:Pardot)の機能である「カスタムリダイレクト」です。プロスペクトのWeb上の動向を把握し、有効な見込み客をリストアップするうえで非常に便利な機能なのですが、設定方法や機能の活用がわからずに活用できていないケースも少なくないかもしれません。そこで今回は、カスタムリダイレクトの設定方法や活用方法を解説します。自社サイトを通じて見込み客を獲得したいとお考えの担当者は必読です。
また、Account Engagement(旧:Pardot)を最大活用するために、こちらの資料「Pardot最大活用のための分析事前準備設定 Vol.1」もご活用ください。
自社サイトのプロスペクトが、メルマガなどを通じて来たのか、あるいは検索エンジン経由なのか、繰り返して見たのはどのページか、資料請求や商品購入に結びついたのはどの情報か…といったことを把握することで、ネットによる営業効果をより高めることが可能になるはずです。
Account Engagementの「カスタムリダイレクト」を活用すれば、自社のメルマガやソーシャルメディアなどに貼った計測用リンクを、誰が、いつクリックしてサイトに流入したかを計測できます。さらに、そのリンクをクリックしたプロスペクトに対し、さまざまなアクションを設定することも可能です。
直接リンクを計測するのではなく、リンク先URLから解析用のトラッキングリンクを生成する仕組みである点が、カスタムリダイレクトの大きな特徴。つまり、Webサイト上のアクセスカウンターのように、アクセスやクリックの総数を調べるのではなく、誰が、どうやって来たかを解析できる機能なので、広告効果を客観的に測定しやすいのです。
Account Engagementには、カスタムリダイレクトに似た「ページアクション」という機能もあります。Pardotの頃から使いこなしている利用者の中には、ページアクションしか使ったことがない…という方もいるかもしれないので、両者の違いをご説明しましょう。
ページアクションは、Web上のページごとに設定する機能であり、たとえば営業活動に直結するページ(欲しいものリストなど)のみに設定し、見込み客がページを閲覧した場合に通知が届くように設定できます。「優先ページ」を設定したり、ページが閲覧された際の通知先をページの内容ごとに変更したりすることもできます。
一方のカスタムリダイレクトは、バナー広告のクリックやSNSのリンクなど、外部でホストされているファイルへのアクセスから、プロスペクトの動向をトラッキングする機能です。機能を活用する企業や、Webサイトの構成、取り扱い製品などによっても異なりますが、自社サイト内に設置する資料請求ボタンやリンクなどの最適化、自社ソーシャルメディアの拡散度合い計測など、ネットによる営業戦略の見直しなどに活用する場合は、カスタムリダイレクトの方が適していると言えるでしょう。
Account Engagement(旧:Pardot)のカスタムリダイレクトを設定する際、最初に「基本設定項目」と「完了アクション」を入力します。設定できる項目は、以下の通りです。
基本設定項目
完了アクション
このように、最初に設定する項目が多数あるので、自社の運用に合った設定を行うことが重要です。「フォルダ」の選択は任意ですが、使い込めば自ずとデータの量が増えるので、それらをわかりやすく整理するためにもフォルダ設定を行っておいた方が便利です。
同様に、「バニティURL」の入力も任意ですが、「短くてわかりやすい」という点で、サイト訪問者の印象を良くすることができるので、自社のバニティURLを設定して入力しておくことをオススメします。
Account Engagement(旧:Pardot)のカスタムリダイレクトは、以下の流れで設定します。設定作業そのものは、「カスタムリダイレクト」のページを開き、設定画面上に必要な情報を入力するだけなので、前項の設定項目や完了アクションを事前に決めておけば簡単に終了するはずです。
<カスタムリダイレクトを追加>
<カスタムリダイレクトを作成>
使いこなすことで、MAツールとしての効果を大いに発揮してくれるAccount Engagement。その中でもカスタムリダイレクトは、自社サイトのプロスペクトを有効な見込み客へ、そして顧客へと育成するうえで、重要な機能を果たします。では、どのような場面でカスタムリダイレクトを活用すると効果的なのかを紹介します。
活用例1:ランディングページのCTA最適化
「ページアクションとの違い」の項でも述べましたが、ランディングページ内の資料請求ボタンやリンクは、配置及び配色、ボタンやリンクの説明文面などを最適化することで、クリックされる(サイト訪問者を誘導できる)確率が大きく変化します。
カスタムリダイレクトを使えば、クリックした見込み客、クリックされた日時などがわかるので、見込み客の層や見られやすい曜日・時間帯などの分析が容易で、CTA最適化を図る上で大いに役立ちます。設置個所別、デザイン別の詳細なクリックデータも得られます。
活用例2:ソーシャルメディアごとの効果計測
ソーシャルメディアを活用して、見込み客を顧客へと育成する営業戦略を推進するうえで、ソーシャルメディアに対する反応の可視化は必須の課題と言えます。
カスタムリダイレクトを活用してソーシャルメディアごとのクリック数を計測することで、自社の製品やサービスと相性がよいのはブログなのか、FacebookやTwitterなどのSNSなのか、あるいは動画共有サイトなのか…といった選定が可能になります。とくに、ターゲットにしたい客層が限定的である場合、カスタムリダイレクトの効果計測は非常に有効です。
活用例3:メルマガ配信における効果測定
配信するメルマガに、カスタムリダイレクトの計測用リンクを貼ることで、配信相手ごとの反応を計測できます。誰が、いつクリックしたのかが可視化できるので、全体のクリック数だけではなく、どのような層のプロスペクトが何曜日の何時頃にメルマガを見ているか…といった詳細な分析が可能です。
複数のメルマガを配信している場合は、マガジンの種別ごとの反応も分析できるので、メルマガの種別と内容を最適化することもできます。
活用例4:オフラインでも活用可能
オンラインでの活用しかできない…と思われがちなカスタムリダイレクトですが、オフラインでも活用可能です。
たとえば、紙モノのパンフレットや広告チラシなどにQRコードを印刷し、そのリンク先にカスタムリダイレクトを設置しておけば、どの紙媒体の広告効果が高かったか、QRコードをどの位置に置いたら読み込まれやすいかなど、オフラインでの広告効果の測定・最適化ができるわけです。
前項で紹介したとおり、カスタムリダイレクトの設定・設置は非常に簡単です。ただ、注意しておくべき事柄がいくつかあるので、設置時の注意点についてご説明します。
(1)カスタムリダイレクト設定後30分はクリックが計測されない
設定完了後の30分間は、クリックされてもアクションに計測されません。カスタムリダイレクトには、30分間のスロットリンク期間が設定されているからです。設置から30分以上待機してから計測を開始してください。
(2)リンク先URLを暗号化(HTTPS)しておく
カスタムリダイレクトのデフォルト設定でリンク先URLを設定する際は、必ず「https://」にしておきましょう。すべてのアセットとリンクが HTTPS を使用していることを確認し設定してください。
(3)「完了アクション」が適用されるのは既存プロスペクトのみ
担当者に通知を送る、リストに追加するなど、設定した完了アクションが適用されるのは、既存のプロスペクト(見込み客)のみです。カスタムリダイレクトをクリックした後、プロスペクトに変換されるプロスペクトに対しては適用されません。
ただし、プロスペクトに変換された場合は「プロスペクトアクティビティ」に、クリックしたことが表示されます。
カスタムリダイレクトを活用することで、Account Engagement(旧:Pardot)のMAとしての役割をさらに拡げることが可能です。今回はカスタムリダイレクトにスポットを当て、設定方法や活用方法をご紹介しましたが、それでも難しい、わからないといったお困りごとがありましたら、お気軽に無料相談からお問い合わせください。
当社には300名(23年5月時点)を超える専門コンサルタントが在籍し、お客様側の視点からSalesforceのサポートサービスを行っています。効率的なSalesforceの活用を、当社のカスタマーサクセスチームがサポートいたします。
Salesforceでお悩みなら、
まずはお気軽に
お問い合わせください
Salesforceでお悩みなら、
まずはお気軽に
お問い合わせください