コラム詳細
はじめに
すでにSalesforceを導入済みの企業なら、日々のマーケティング活動に「Pardot」を活用しておられるかもしれません。2022年初夏からPardotは、「Marketing Cloud Account Engagement(略称:Account Engagement)」に名称変更されましたが、リストメールなどの便利な機能に変更は無く、Pardot用ツール「フォームハンドラー(Form Handlers)」も、従来通り活用できます。そこで今回は、旧Pardotから使い続けられているフォームハンドラーにスポットを当て、設定方法や活用シーンについて紹介します。フォームハンドラーで何ができるのか知りたい、便利ならば導入して活用したい…と、お考えの担当者は必読です。
Account Engagement(旧Pardot)は、Salesforceが提供するMA(マーケティングオートメーション)ツールです。
MAを活用してマーケティング結果をリアルタイムでレポーティングするためには、顧客リストや見込み客との接触履歴、自社Webサイトへの来訪履歴、アプローチ結果など、さまざまな情報を入力しなければなりません。そこで活用されているのが、Account Engagement以外で作成したフォームを、同ツールと連携するためのツール「フォームハンドラー」です。
たとえば、既存のフォームがすでにある場合、既存フォーム登録者のデータを一度ダウンロードし、顧客および見込み客リストなどをAccount Engagementに入力しなおす場合、通常ならAccount Engagement用フォームに1件ずつ入れていかなければなりませんが、しかしフォームハンドラーを使えば、その手間も費用も必要ありません。
既存フォームを活用できるのでデザイン変更も従来通り行えて、細かいレイアウト設定や機能面の編集も可能なので、EFO(入力フォーム最適化)を行う際も便利です。
また、フォーム登録データの登録先を複数指定できるため、Account Engagement導入後に編集し直した最新の登録データを既存データベースにあらためて登録し、バックアップする際にも便利です。
Account Engagementには、フォームハンドラー以外に「フォーム(Form)」という機能があります。この2つの違いを大まかに説明すると、事前に準備されているテンプレートを一部カスタムするなどで活用するのがフォームであるのに対し、既存のフォームをそのまま使うことができるのがフォームハンドラーです。
もう少し細かく見てみると、フォームはAccount Engagementで新たに作るものなので、近年は必須となっているボット対策や、作成時のビュー、フォーム通過時のプログレッシブプロファイリングの機能など、Account Engagementならではの機能が多数搭載されています。基本的にボタン操作なので、開発やプログラミングが不要というメリットもあります。
一方、フォームハンドラーは、既存フォームの機能を活かしつつ、完了アクションなどAccount Engagement独自の機能を追加しているほか、入力確認ページを挟む、レスポンシブにする…などの加工を行いやすいという特徴があります。すでに自社で運用しているフォームがある場合、そのフォームにフォームハンドラーのタグを設定するだけでデータ連携されるので、継続して利用できます。
続いて、フォームハンドラーの設定方法を解説します。以下の手順で進めてください。
<フォームハンドラーを追加>
<フォームハンドラーを作成>
以上の手順で、フォームハンドラーが作成できます。(6)で「参照元URL」を選択した場合、フォームハンドラー送信後、設置してあるURLにそのまま留まり、「特定のURL」を選択した場合は入力されたURLにリダイレクトされます。
フォーム登録後にプロスペクトのデータを別のデータベースに転送する場合は、「特定の URL」を選択してください。
ここでは、Account Engagementのフォームハンドラーを使用する際の注意点を紹介します。以下の3点が、主に注意すべきポイントです。
フォームハンドラーにはボット対策が標準化されていないため、実装する必要があります。フォームはボットの標的にされやすいため、ボット保護対策は必ず行いましょう。
対策を怠ると、Account Engagement内のプロスペクトがスパムで埋め尽くされてしまいます。CAPTCHAやIPブロックを実装するか、フォームハンドラーのプロスペクトを対象に、確認済みオプトインプロセスを導入することを検討してください。
フォームとフォームハンドラーの必須項目が一致しない場合はエラーが発生します。
ある項目をフォームハンドラーでも必須にする場合は、同項目をフォームでも必須にする必要があり、ここで項目を合わせなければフォーム通過ができません。
フォームの登録が失敗した際に表示されるエラーメッセージの設定ができます。項目に適したエラーメッセージを設定する必要があるので、忘れずに設定を行いましょう。
フォームハンドラーを導入したが、頻繁にエラーメッセージが表示される…と、お困りの担当者もおられるかもしれません。フォームハンドラーでエラーが起こる原因の多くは、「不適切な入力」です。下記を参照しながら、入力内容をもう一度確認してみてください。
(1)項目マッピングの不一致によるエラー
フォームハンドラーに外部項目名を入力する際、元となるフォームに記載されたソースコードと一致している必要があります。
(2)必須項目の不足によるエラー
「必須」とマークされているすべての項目が登録フォームに含まれていなければなりません。必須項目がすべて揃っていないとエラーになります。
(3)項目のデータ型の不一致によるエラー
登録データとデータ型が一致していない場合もエラーが起こりますので、こちらも一致している必要があります。
なお、必須項目の不足によるエラーと項目のデータ型の不一致によるエラーについては、下記の手順でエラーメッセージを設定しておきましょう。
<鉛筆アイコンをクリック>
<変更を保存>
今回は、Account Engagementのフォームハンドラーについて概要・設定方法を紹介しました。やってみたが難しい、うまくいかない…などの困りごとがございましたら、ご相談ください。当社には280名(23年3月時点)を超える専門コンサルタントが在籍し、お客様側の視点からSalesforceのサポートサービスを行っています。効率的なSalesforceの活用を、当社のカスタマーサクセスチームがサポートいたします。
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