コラム詳細

SalesforceのMarketing Cloud(マーケティングクラウド)の 特徴・導入方法とは

2023年04月13日

  • Marketing Cloud
  • 使い方

はじめに

セラクCCCのSalesforce推進部のOです。今回は、Salesforce社が提供するMA(マーケティングオートメーション)ツール『Marketing Cloud(マーケティングクラウド)』についてご紹介いたします。
MAツールは数多くありますが、他のMAツールとは異なるMarketing Cloudの強みとはなんでしょうか。
同じくSalesforceが提供しているMAツール『Account Engagement(旧:Pardot)』との違いとはどういった点か、こうしたMarketing Cloudに関する疑問点について解説と、あわせてMarketing Cloud 導入によるメリット、注意点について解説していきます。

 

また、Marketing Cloudのバウンスメールについて解説しているこちら「MarketingCloudバウンス原因確認方法と必要な対策」と併せてご活用ください。

 

SalesforceのMarketing Cloud(マーケティングクラウド)とは?


<Marketing Cloud>

 

Marketing Cloudは、マーケティング業務の効率化を目的としたツールです。
Salesforceに蓄積された会員のデータから興味関心などを基準にセグメント分けしたリストを用い、マーケティングのターゲット層や使用チャネル、アプローチ方法によって適切な機能を使い分けることで効率的なOne to Oneマーケティング(会員の関心に合わせたマーケティング)を支援します。

 

SalesforceのMarketing Cloudの機能とは?

Marketing Cloudは複数の機能で構成されたツールであり、必要に応じて各種機能を組み合わせて運用するよう設計されています。
ここでは、Marketing Cloudの代表的な機能についてご説明します。

 

Email Studio

会員を自動でパーソナライズし、一人ひとりにマッチした内容でメールを送信する機能です。

 


<Email Studioの機能>

 


<Email Studio>

 

大人数を対象にニュースレターやキャンペーン告知を配信したり、誕生日の会員だけに特別なメールを配信したり、
ターゲットにしたセグメントの範囲に合わせて、多種多様な運用ができます。
他にも、メール開封率改善のためにメールの開封状況をトラッキングして開封率を測定したり、実際の送信作業前にA/Bテストを行ってメールを最適化したりする機能も備わっています。

 

※メール配信による宣伝活動には、あらかじめ会員にメールの配信に同意してもらう必要があることに注意してください。

 

Mobile Studio

SMSメッセージやプッシュ通知、チャットなどで会員のモバイル端末にメッセージを送信する機能です。


<Mobile Studioの機能>

 


<Mobile Studio>

 

会員の属するセグメントに基づいて、任意のタイミングでSMSを配信し、会員の関心を効率的に高めます。例えば、会員の行動履歴から、頻繁に訪れるスーパーマーケットがどこの支店かについてデータを収集し、蓄積した会員データをセグメントごとにリスト化します。支店ごとのタイムセールの時間に合わせ、リストに属する会員に向けてタイムセールの告知や割引クーポンを付けたSMSを配信する、といったアプローチが可能です。

 

SMSはメールに比べて文字数などに制限がありますが、即時開封される確率が高く、またモバイル端末に送るため会員本人に届く確率が高いといった特徴もあります。リアルタイム性が高く、確実に目に留めてほしいタイプのプロモーションに最適です。

 

※SMS配信による宣伝活動には、あらかじめ会員にSMSの受信を了承してもらう必要があることに注意してください。

 

Journey Builder

Marketing Cloudでは、会員と信頼関係を築いて購買に至るまでの道のりを「カスタマージャーニー」と呼んでいます。Journey Builder は、他の機能のように情報を発信するツールではなく、信頼関係構築の道筋を描いていくためのキャンペーン計画ツールです。

 


<Journey Builderの機能>

 


<Journey Builder>

 

Journey Builderは、会員へアプローチするキャンペーンを設計し、ドラッグ&ドロップの直感的な操作で、自動化のフローチャートを作成できます。例えば、会員登録した方に、登録の翌日に「登録ありがとうございます」というメールを送信します。そのメールのAというコンテンツをクリックした会員にはA’のメールを、Bというコンテンツをクリックした会員にはB’のメールを送ります。開封しただけで何もクリックしなかった会員にはC’のメールを2日後に送信し、開封しなかった会員には1週間後にD’のメールを送ります。このように、会員のアクションをトリガーにして分岐させる一連のキャンペーンを作成することが可能です。

 

Advertising Studio

ターゲッティングしたセグメントごとに広告キャンペーンを最適化して、会員の関心を高めたり、再アプローチに活用したりする機能です。

 


<Advertising Studioの機能>

 


<Advertising Studio>

 

パーソナライズされた広告をGoogle広告や各種Webページ、Facebook、Instagram、Twitterなどのソーシャルメディアへ掲載し、Webを頻繁に活用する会員へ訴求力の高い広告を表示します。

 

Social Studio

ソーシャルメディアに投稿するコンテンツの作成から承認までのフローを一括管理したり、コンテンツに対するエンゲージメントを測定して今後の活動に反映させるためのフィードバックを得るといった、ソーシャルメディア上でのプロモーション活動に役立つ機能です。

 


<Social Studioの機能>

 

コンテンツ管理以外には、自社に関するソーシャルメディアユーザの発言や動向をSocial Studio上に表示する機能があります。流れてくる発言を基にユーザの関心を把握したり、時にはカスタマーサポートを提供したりといったアクションを起こすことができます。 自社製品に関する発言や動向を表示する機能を活用した例として、自社製品でトラブルが起きたなどの発言を発見したとき、ユーザのアカウントに直接コンタクトを取り、リアルタイムで問題解決に当たるというアプローチ方法を取ることが可能です。こうしたことがソーシャルメディアユーザとの信頼関係を構築し、ブランドの認知度の向上に貢献できます。

 

SalesforceのMarketing CloudとAccount Engagement(旧:Pardot)との違いは?

ここまで、Marketing Cloudの各種機能についてご説明してきましたが、Salesforceは『Account Engagement(旧:Pardot)』というMAツールも提供しています。2種類のツールにはどういった違いがあるのかを解説いたします。


<Pardot>

 

まず、両者の大きな違いは「使用用途はBtoCか、BtoBか」です。Marketing CloudはBtoC向け、Account Engagement(旧:Pardot)はBtoB向けと位置づけられています。

 


<Marketing CloudとAccount Engagement(旧:Pardot)の違い>

 

Marketing Cloudは、Web広告やSMSといった個人消費者向けのメディアを使い、数万人規模のユーザをターゲットとした宣伝活動が得意です。そのため、大規模に集客するタイプのビジネスに最適です。BtoCビジネスの中でも、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、アパレル業界といった、比較的安価な商品やサービスを提供する場合に効果を発揮する特徴があります。

 

Account Engagement(旧:Pardot)の詳細が知りたい方は別途コラムがございますので、そちらをご参照ください。

 

メール配信だけじゃもったいない! Account Engagement(旧:Pardot)でできる5つのこと

 

SalesforceのMarketing Cloudを導入するメリットとは?

ここからは、Marketing Cloudを導入するとどのようなメリットがあるのか解説します。

 

メリット(1) あらゆるチャネルでマーケティングを展開できるようになる
Marketing Cloudを導入することで、メールやSMSメッセージ、ソーシャルメディアの広告、LINE、Webサイトなど、多方面のデジタルチャネルを駆使して、会員一人ひとりにパーソナライズされたアプローチが可能となります。
会員の関心に常に寄り添うことで、企業への信頼や愛着を持たれるようになり、顧客獲得後のロイヤルティの向上につなげられます。

 

メリット(2)会員の関心を把握して、プロモーション戦略に活用できるようになる
Marketing Cloudの運用後も、引き続き会員のWebサイト閲覧履歴や商品の購入履歴といった幅広いデータを収集して、セグメントリストの管理・随時更新することができます。会員のリアルタイムの関心事、動向の変化が把握できるようになり、プロモーション戦略の判断にも有効に活用できるでしょう。

 

メリット(3) Marketing CloudひとつでOne to Oneマーケティングを実現できるようになる
MAツールには、メールでの配信に特化したもの、SNSでの配信に特化したものなど多種多様な種類があり、One to Oneマーケティングを実現するためには複数のMAツールを導入しなくてはなりません。
Marketing Cloudなら、様々なチャネルに対応した機能が全て集約されているため、Marketing Cloudを一つ導入するだけでOne to Oneマーケティング実現への環境が整います。

 

SalesforceのMarketing Cloudを導入する際のよくある注意点

Marketing Cloudを実際に導入する際、どういったポイントに注意しなければならないのか、それに対してどのような対策があるのか見ていきましょう。

 

  • ・MAツールに関する知識不足から、機能を使いこなせない
    Marketing Cloudには多種多様な機能がありますが、ツールへの理解が十分でなく、機能を使いこなせないケースがあります。導入前に社内で教育を行うという対策もありますが、時間がかかってしまい現実的ではありません。
    おすすめの解決策は、外部のプロフェッショナルへの運用支援を依頼することです。熟練したエンジニアが適切にツールを運用することで、安全かつ早期に導入成果を実感できるでしょう。
  • ・改善習慣が定着していないために、マーケティング施策が効率化されない
    Marketing Cloudを導入しただけで、全ての営業活動の効率が向上するというものではありません。常にPDCAサイクルを回し、活動を評価しながらコンテンツや会員へのアプローチ方法に改善できる部分はないかチェックしていきましょう。
  • ・社内リソース不足で十分な量のコンテンツが作成できない
    Marketing Cloudの運用には、多様な会員に対応できるだけの社内リソースが必要不可欠となってきます。ターゲットとする会員のセグメントの設計、ターゲットに合わせたコンテンツの作成などをしなければ十分な効果が得られないためです。
    社内リソースが十分でないと、コンテンツ不足によりMarketing Cloudの性能を発揮できず、マーケティング活動が行えないといったケースがあります。
    そんな時も、専門アウトソース業者にコンテンツ作りを支援してもらうという選択肢があります。マーケティング活動に精通したエンジニアが、最適なコンテンツの作成を支援いたします。

 

まとめ

今回は、Marketing Cloudを活用することで多様なチャネルを使用してプロモーション活動ができることや、会員ごとにパーソナライズした最適なアプローチを行うこと、またマーケティング活動の効率化につながることをご説明しました。導入するうえで営業担当者のスキルや人的リソースが足りているかなど、注意しなければいけないポイントもいくつかありますが、専門アウトソース業者を積極的に活用して、マーケティング活動を成功に導きましょう。

 

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