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インバウンドマーケティングとは? 具体的な手法や成功事例を紹介

2024年10月22日

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はじめに
インターネットが普及し、顧客行動が変化した現在、従来のアウトバウンドマーケティングの効果は弱まりつつあります。こうした中で、重要性を増しているのがインバウンドマーケティングです。本記事では、インバウンドマーケティングの意味やメリット、実施手順、成功事例などをわかりやすく解説します。

 

インバウンドマーケティングとは?


<インバウンドマーケティングのイメージ>

 

インバウンドマーケティングとは、見込み顧客が自発的に自社に接触してくるように誘導することを目的としたマーケティング手法です。具体的には、コラム記事やホワイトペーパー、SNS投稿など、ターゲットのニーズに寄り添った価値あるコンテンツの提供により、ターゲットの関心を自然に惹きつけることを目指します。コンテンツマーケティングやSNSマーケティングは、インバウンドマーケティングの一種です。
インバウンドマーケティングでは、顧客へ直接的に自社の商品・サービスをセールスするのではなく、まずは見込み顧客にとって魅力的な情報を提供し、自然な形で関係を築くことを重視します。これにより、顧客との長期的な信頼関係を構築し、ビジネスの成長を促進します。

 

アウトバウンドマーケティングとの違い

アウトバウンドマーケティングとは、企業側から積極的に見込み顧客へアプローチする営業・マーケティング手法を指します。飛び込み営業、テレアポ、ダイレクトメール、テレビコマーシャルなどが代表例です。従来は、このアウトバウンドマーケティングが主流でした。
アウトバウンドマーケティングとインバウンドマーケティングの異なる点は、マーケティングの主導権にあります。
飛び込み営業やテレビCMに典型的に示されるように、アウトバウンドマーケティングでは、「この商品はどうですか?」「このような商品がありますよ」と、顧客の視界に入るように積極的に企業側が動きます。これに対して、インバウンドマーケティングでは、「顧客側が主体的に情報を集める中で、偶然自社のコンテンツが目に入る」という方法で、顧客側のアクションを出発点に置いているのが特徴です。
アウトバウンドマーケティングでは、自社の商品・サービスに関心のない層にもアプローチしてしまい、押し売りのように思われることも往々にしてあります。インバウンドマーケティングの場合は、顧客側が自ら関心を高めて接触するため、効率的な営業を行うことが可能です。

 

インバウンドマーケティングが注目される背景

インバウンドマーケティングが注目されるようになった背景を以下で順を追って解説します。

 

インターネットの普及による顧客行動の変化

インバウンドマーケティングの重要性が増したきっかけは、インターネットやスマートフォン、SNSなどの普及です。従来は企業が飛び込み営業やテレビCMなどで積極的にアプローチをし、それをきっかけに顧客が購入するのが一般的でした。インターネットやスマートフォンなどの普及が進んだことで、誰もが容易に商品やサービスに対して情報収集や発信が可能になりました。こうした中で、顧客の目に留まる有用なコンテンツを用意し、購買意欲を刺激するインバウンドマーケティングが注目されるようになりました。

 

広告媒体の多様化によるアウトバウンドマーケティングの衰退

顧客が自主的に情報収集する手段を獲得し、広告媒体が多様化する中で生じたのが、アウトバウンドマーケティングの衰退です。自分自身で情報収集できるようになった結果、企業側から一方的に売り込みをかけられるアウトバウンドマーケティングに対して、不快感や不信感を覚える人が増えました。現代の顧客は購買活動に際して、自分自身でさまざまな情報を調べ、比較検討し、十分な納得感や信頼感を持った上で購買の判断をしたいという傾向が高まっています。こうした顧客傾向に対応するために、顧客に有益なコンテンツを提供し、自然に信頼関係を築こうとするインバウンドマーケティングに取り組む企業が多くなりました。

 

インバウンドマーケティングのメリット

インバウンドマーケティングには、どのようなメリットがあるのでしょうか。それぞれのメリットについて詳しく解説します。

 

費用対効果が高い

飛び込み営業やテレアポのような伝統的な営業方法は、手間と時間がかかるわりに成果を得にくく、非効率性が目立ちます。また、テレビCMのような広範な情報発信には、多額の広告費用を要するのがネックです。これに対して、インバウンドマーケティングの場合、自社メディアを通じて情報発信をするため、広告費を大幅に抑えることが可能です。さらに、インバウンドマーケティングでは、興味を持った顧客が自ら情報を求めて訪れるため、効率的に見込み顧客を獲得できます。

 

顧客からよい印象を持たれやすい

インバウンドマーケティングでは、検索エンジンやSNSを通じて顧客に自発的に商品やサービスを見つけ出し、興味を持ってもらうことを目指します。
アウトバウンドマーケティングと比較すると、顧客の意思で商品やサービスの比較検討や納得感、企業に対する信頼感をもったうえで購買の判断が可能です。これに加え、提供するコンテンツが顧客にとって有益なものであれば、自社に対して好意的な印象を持ってもらえます。

 

顧客情報の分析ができる

Web上で行われるマーケティング活動では、SEO、コラム、SNSといったメディアを活用することで、さまざまな効果測定が容易に行えます。表示回数、クリック数、PV数、セッション数、実際の購入者数など、各段階でのデータの詳細な分析が可能です。
どのコンテンツが最も閲覧されているか、どのページで顧客が離脱しているかなどを分析することで、顧客のニーズや行動パターンを把握し、コンテンツ制作も含めて以後のマーケティング戦略に活かせます。

 

コンテンツを資産として蓄積できる

一度作成したコラム記事やホワイトペーパー、動画コンテンツは、時間が経ってもWeb上に残り続け、新たな顧客を引きつける役割を果たします。
人気メディアになれば、数千、数万のユーザが日常的に自社コンテンツへアクセスするようになることも夢ではありません。このように、自社メディアを通じて顧客が自動的に集まる仕組みを作れることが、インバウンドマーケティングの強みです。

 

【ステージ別】インバウンドマーケティングの具体的な手法

インバウンドマーケティングは、大きく四段階に分けて進行します。以下では、各段階で何を目指して、どのように顧客へアプローチするのかを解説します。

 

Attract(顧客の興味関心を惹きつける)

最初の段階「Attract」では、各種のコンテンツを活用して潜在顧客に対する自社の認知度を高めることを目指します。具体的なアクションとしては、コラム記事やSNS投稿、動画投稿などを通して潜在顧客の興味を惹く情報を発信し、自社メディアへ誘導する形です。この段階での顧客は商品・サービスの購入を検討していないため、まずは顧客の抱える悩みやニーズに応える情報を提供することが求められます。

 

Convert(訪問者を見込み顧客に変換する)

「Convert」の段階では、自社メディアの訪問者を見込み顧客にするための作業を行います。このフェーズの目標は、訪問者の連絡先情報を取得し、「Attract」の段階よりも自社の商品・サービスに焦点を当てた情報提供を行うことです。具体的には、登録者限定のメルマガや動画の配信、ホワイトペーパーやEbookのダウンロードなどがあげられます。これらのコンテンツを通じて、自社の商品・サービスに関する直接的な関心を喚起し、訪問者が自発的に見込み顧客となるように促します。

 

Close(見込み顧客から顧客化する)

「Close」は、見込み顧客の行動分析を行い、顧客にするためのアプローチを行う段階です。見込み顧客のWeb上での行動やメール開封履歴、資料のダウンロード履歴などを分析し、購買意欲の高い顧客に対して適切なアプローチを行います。インサイドセールスを活用し、見込み顧客と良好な関係を築きながら、購買意欲が高まった段階で営業担当者に引き継ぎます。個別対応を心掛け、顧客のニーズに合わせた情報提供を行うことが重要です。

 

Delight(顧客をリピーター・ファン化する)

Delightの段階では、顧客をリピーターやファンにすることを目指します。顧客に対して継続的に価値ある情報や特典を提供し、満足度を高めることが重要です。たとえば、購入後の使い方ガイドや、再購入を促すクーポンの配布などが役立ちます。また、顧客専用のコンテンツやコミュニケーションの窓口を設けることで、顧客との関係を強化し、リピート購入を促すことが可能です。顧客のファン化に成功すれば、顧客が自発的に好意的な口コミを広げてくれることも期待できます。

 

インバウンドマーケティングを成功させるポイント

インバウンドマーケティングで成功するポイントは、顧客の課題やニーズを把握し、それを解決する自社のサービスや商品のマッチングポイントを見つけ、SEOやSNSなどの接点を入り口にお問い合わせをしてもらうまでの戦略を設計することです。そのために、多くの成功事例に触れ、効果的な手法を学ぶことが近道になります。

 

インバウンドマーケティングの成功事例

インバウンドマーケティングを導入する際は、まず他社の先行事例を調べるのが有効です。そこで以下では、実際の企業がどのようにインバウンドマーケティングを活用し、成果を上げたかを解説します。

 

アウトバウンドからインバウンドへの切り替えに成功したA社

採用支援事業などを営むA社は、テレアポ中心のアウトバウンドマーケティングからインバウンドマーケティングへの切り替えを図り、成功を収めた企業です。同社は当初ノウハウがない状態からスタートしましたが、社外からの協力も得ながら、業界や職種に関するお役立ち情報やノウハウを提供するオウンドメディアを開設・運営し、潜在顧客の興味を惹きつけました。これにより、年間で数万件の法人リードを獲得するまでに成長し、現在でも継続的な成長を遂げています。

 

情報発信メディアの運営が売上アップにつながったB社

家具や生活用品などを販売するB社は、暮らしに役立つ情報を発信するメディアを運営し、ECサイトへの誘導に役立てている企業です。同社は家事のアドバイスや料理のレシピなど、日常生活に役立つコンテンツを提供することで、潜在顧客の関心を惹き、自社サイトへの訪問を促しました。同社ではコンテンツの最後に自社商品の紹介を入れ、購入への導線を設けることで、売上につなげています。

 

インバウンドマーケティングの注意点

インバウンドマーケティングは効果的な手法ですが、いくつかの注意点も存在します。施策を進める際に、あらかじめ以下の注意点を把握しておくと、スムーズに成功へつなげることが可能です。

 

成果が出るまでに時間がかかる

まず、インバウンドマーケティングは成果が出るまでに時間がかかることを留意しておきましょう。インバウンドマーケティングは、「魅力的なコンテンツを用意する」「顧客に発見してもらう」「顧客の関心を深める」というように、段階を踏む必要があります。そのため、効果が現れるまでに3ヵ月から半年程度はかかることが一般的です。
さらに、組織の規模によっては低予算でスモールスタートを切り、段階的に施策を拡充していく場合もあります。最初はコラムやSNSからはじめ、徐々にホワイトペーパーやオンラインセミナーなどを導入していく流れです。早期に結果を求めすぎず、長期的なプランで進めていくことも大切です。

 

適切な社内体制を構築する必要がある

インバウンドマーケティングを成功させるためには、適切な社内体制を構築することが必要です。まずは、デジタルマーケティングやコンテンツ制作に精通した人材の確保が重要です。また、コンスタントにコンテンツ配信や顧客へのアプローチをしていくために、企画の立案から実行、効果測定までの一連のプロセスを円滑に進められる仕組みを整えることも欠かせません。社内のノウハウや人材が不足している場合は、MAなどのITツールやアウトソーシングを検討するのもオススメです。長期的な視点で継続的に改善を図ることで、インバウンドマーケティングの効果を最大化できます。
これらの注意点を踏まえた上でインバウンドマーケティングを計画・実行することにより、スムーズに成長を目指しやすくなります。

 

まとめ
これからの顧客獲得には、インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの両方を活用する必要があります。マーケティングを効率よく実施するためにSalesforceを活用することをオススメします。
セラクCCCはSalesforceの認定パートナーとして最高位のExpert認定を取得しており、定着・活用支援においてトップクラスの実績と豊富な人材(コンサルタント)を有しています。この豊富な実績から培ったノウハウを活かし、お客様のインバウンドマーケティングを組織と人材の面から強力にサポートいたします。ぜひ、お気軽にご相談ください
また、お客様の状況に合わせて、リモートや常駐、運用の内製化など柔軟な対応が可能です。

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