活用事例詳細

キヤノンマーケティングジャパン株式会社

半年かかっていたTableau改修作業が、たった1か月で完了。顧客接点120%を実現した背景には、「データ利活用基盤構築」と「人材育成プログラム」があった

  • Tableau
  • 定着・活用支援
  • データ活用
  • レポート・ダッシュボード
  • 常駐支援
  • 卸売業・小売業
  • 5,000名

キヤノングループの一員として、日本国内におけるマーケティング活動やソリューション提案を手がける、キヤノンマーケティングジャパン株式会社様。キヤノン製品事業とITソリューション事業の組み合わせによって、幅広い領域において社会課題の解決に貢献されています。
 
今回は、同社でセラクCCCの「Tableau定着・活用支援サービス」をご活用いただくに至るまでの経緯と支援に対するご評価、今後の展望についてお話を伺いました。お答えいただいたのは、今回Tableauの定着・活用に取り組まれたGBソリューション事業部 GBソリューション事業推進本部(以下、GBソリューション事業部)の唐沢様、宮下様、伊藤様と、同部の取り組みをIT部門として支援された情報通信システム本部 デジタル戦略部(以下、デジタル戦略部)の片岡様、池田様の5名です。

 

導入の背景:データ利活用基盤とTableauの改修・開発や現場におけるデータ分析の支援を進めるにあたり、デジタル戦略部のリソースのひっ迫が課題に。改修・開発とデータアナリスト人材育成の支援に期待し、セラクCCCの「Tableau定着・活用支援サービス」の採用に至る。

導入の効果:データ利活用基盤とTableauの構築が進み、営業情報の集約、リソースがひっ迫する中で現場のニーズに合わせた改修対応をした結果、半年かかっていたTableau改修作業が、たった1か月で完了。またデータアナリスト人材の育成により、データ活用や基盤のアップデートにおいて自走できる組織体制が築かれた。

 
【データアナリスト育成プログラム】
セラクCCCがキヤノンマーケティングジャパンへ作成した、独自の教育プログラムです。
・ダッシュボード作成(データ理解・要件定義等)
・Tableauを使った統計基礎
・顧客カルテのダッシュボード改修計画・作成

営業情報の集約・可視化が喫緊の課題に

―まずは、Tableauの導入に至るまでの経緯からお聞かせください。
片岡様:デジタル戦略部は、社内の各事業部門と連携しながらDX推進に取り組んでおり、ミッションとして掲げるテーマの一つに「デジタル化やデータ活用を通じて営業部門の生産性向上に寄与すること」があります。この営業部門の生産性向上を考えるにあたり、当初課題となっていたのが “情報の点在と暗黙知化” でした。

 

唐沢様:営業系データはSalesforceに、売上実績は基幹システムに……とデータが各システムでバラバラに管理され、都度必要なデータを抽出し作成しなければ横断的なデータの分析・活用が叶わない状況でした。また営業活動を通じて得たインフォーマルな顧客情報はデータ化されず、営業担当者一人ひとりの暗黙知となっていたのです。

 

営業の知見を共有し当社の強みである営業力を次の世代へ受け継ぐためにも、情報の共有や引き継ぎを抜かりなく行いお客様との関係性を大切に維持するためにも、こうした状況の改善はGBソリューション事業部の喫緊の課題だと捉えていました。

 

片岡様:この課題の解決に向け、2021年に「新たな営業スタイルの確立」を期待され新設されたたGBソリューション事業部とともに取り組みを始めることになり、まずはあらゆる情報の集約と可視化を最初のステップとし、CDP上にデータ利活用基盤を構築するとともに、BIツールとしてTableauを導入しました。

 

データモデリングからダッシュボード開発、さらにはデータアナリスト育成まで、包括的な支援が魅力

―セラクCCCのTableau定着・活用支援サービスの利用を考えられたのはなぜでしょうか?

 

池田様:データ利活用基盤のリリース後、営業担当者の皆さんの声を吸い上げながら改修・改善に取り組んできましたが、活用が進むにつれ寄せられるご要望の数も増え、デジタル戦略部の担当者だけでは対応しきれない状況になっていたのです。

 

今後現場でのデータ分析を推進していくことや、GBソリューション事業部で先駆けて始めたこの取り組みを他の営業部門にも展開していくことを考えれば、体制の強化は不可欠だなと。基盤の改修・改善に加え、現場でデータ利活用ができる人材を育てる過程においても、プロフェッショナルのお力を借りたいと考えました。

 

またデジタル戦略部の私たちとしてもTableauを使うのは初めてのことで、見様見真似での挑戦でしたから、せっかくならプロフェッショナルの視点から「今の使い方は正しいのか」「こうあるべきでは」と知見をいただければという期待もありましたね。

 

―支援先のベンダーとしてセラクCCCをお選びいただいた決め手はどのような点にありましたか?

 

片岡様:我々としても4つか5つぐらいのパートナーさんをいろいろ検索しました。セラクCCCさんの決め手は、データのモデリングからCDP上での基盤構築、Tableauのダッシュボード開発、さらにはデータアナリスト人材の育成に至るまで、多岐にわたる要望すべてにご対応いただける点が最大の決め手です。

加えて弊社では、Salesforce上のデータも集約・活用したいという希望もありました。その中で幅広い領域における知見と実績があり、TableauもSalesforceも理解されていることも心強いです。

 

Tableauを構築する、活用できる人材も育成するっていう、頭からお尻まで知見を持っている会社さんを選びたかったんですね。その中で「後半はできるけど前半はできません」「前半までできるけど後半は知見が足りないです」という会社さんが多く、我々が「こういうことやりたいんだ」と言ったときにすごく丁寧に「こうやったらできます」とご対応いただいて、担当者の方のお人柄と迅速で丁寧なご対応に惹かれたことも、複数のパートナーさんを候補として検討させていただく中で大きな後押しになりました。

 

二名体制の伴走で、データ利活用基盤の構築と育成を推進

―セラクCCCのコンサルタントにお任せいただいている支援業務について教えてください。

 

池田様:二名体制で伴走いただき、それぞれTableau構築とデータアナリスト育成をお願いしています。

 

Tableau構築については、まずはデジタル戦略部で対応しきれていなかった改修やバージョンアップへのご対応からお願いいたしました。現在ではデータ周りの設計から構築、保守運用などまで幅広くお任せするようになりました。これまでの取り組みの評判から、同様のデータ利活用基盤の導入が他の事業部門でも始まっており、コンサルタントの方にはGBソリューション事業部のみに限らず活躍の幅を広げていただいています。

 

データアナリスト育成では、現場で必要とされるものの実装と教育を両立させる方針をとり、実際に業務で使うダッシュボードの作成などをテーマとした学習と実践を進めています。コンサルタントの方には、当社の課題や、受講者である宮下さん、伊藤さんの意気込みや学習進捗などをふまえてカスタマイズされた育成プログラムの作成から、実際の講習における講師のお役割までをお任せしています。

 

セラクCCCの支援で得られたTableau活用のスキルが “データドリブンの営業活動”を後押し

―支援を受けたご感想やご評価としてはいかがですか?

 

宮下様:データアナリスト人材育成プログラムを受講し、主にTableauの扱いについて学ぶとともに、ダッシュボード作成に取り組みました。

 

アプリケーションの操作の仕方やダッシュボード作成のプロセスなど基礎的なことから丁寧に分かりやすく教えていただいたおかげで、初めてながらスムーズに進めることができました。また受講を通して、データアナリストの役割や「なぜこれを作るのか」といった考え方、データを扱う上での作法などに対する解像度も少しずつ高まり、自分の中に落とし込めるようになった感触があります。

 

伊藤様:今回のプログラムでは、実データを用いて実際の業務で使えるもの、自分自身が欲しいものを作り、提供してすぐにフィードバックをいただくことができます。初めはどこにどの機能のボタンがあるのかもわからない状態からのスタートでしたが、手応えと達成感を感じながらスキルアップしていくことができました。いただいた充実したフィードバックをふまえ、今後新たに改善に取り組みたい課題もたくさん見えてきています。

 

唐沢様:特に感謝しているのは、密なコミュニケーションのもとご支援いただけたことです。

 

定期的なミーティングで営業担当者の要望をお伝えし、それに対する複数のご提案の中から当社のスタイルに合ったやり方を選ばせていただくことができました。コンサルタントの方との対話があったからこそ、現場の要望に100%応えられないときでも営業担当者にしっかりと背景を説明し、理解し合うことができたと感じます。

 

―支援を受けた結果として、現段階でどのような成果を実感されていますか?

 

池田様:まずデジタル戦略部のリソースの観点では、コンサルタントの方のご支援のおかげで改修・開発が進み、当初対応できないまま溜まってしまっていたタスクをすべて消化することができました。大変助けられましたね。

 

唐沢様:溜まっていた追加改修要望を実現していただいたおかげで、取り組み始動の背景にあった営業情報の集約という根本課題の解決も大きく前進しました。今では、お客様や営業活動にまつわる情報の管理はすべて新たなシステムに統合され、常にこのシステム上で情報が最新の状態に更新されていくというあり方が実現に近づきつつあります。

 

具体的には、インフォーマルなものも含むお客様の情報をもとに課題を見つけ、ご提案を考え実行するという流れにおいて、データの抽出やExcelでの資料作成といったさまざまな手作業をなくすことができました。

 

片岡様:Tableauを導入して 1年ほどで、それまで手作業で対応していたタスクの作業時間が削減でき、その時間は約2,600時間に達しました。
その結果、お客様へのコンタクト数は導入前の120%にまで伸び、売上も前年比105%となっております。
 

セラクCCCさんの支援を受けてからは、半年かかっていた改修作業がわずか1か月で完了し、データ利活用基盤が整いました。
今後はこのデータ利活用基盤を活かして、更なる成長につなげていければと思います。

 

唐沢様:働き方改革の浸透が当社でも進み、営業部門としても限られた時間で成果を出さなければなりません。経験や感覚だけではなく、データも活用しながら効率的に戦略を組み立て、その分お客様との商談や提案活動など本来営業担当者が行うべき業務に時間を使ってほしい、そんな思いが形になってきたことを嬉しく思います。

 

宮下様:定性的な面では、データ活用を身近なものと捉える若手のメンバーが多いこともあり、部署内で「データをうまく活用して営業活動を行う」というデータドリブンの思考が根付き始めている印象があります。

そうしたメンバーたちから、活用を進める中で業務の無駄やシステムの利便性について気づきや要望が寄せられることも多いため、今回教育プログラムを受講して部署内ですぐに改善の対応ができるようになったことはお互いにとって良かったなと感じます。

 

池田様:そうですね。事業部門からデジタル戦略部やパートナーさんに依頼する形では、認識の齟齬が生じやすく時間もかかります。宮下さんや伊藤さんのようなデータ活用のリーダーとなる人材が現場にいてくれることで、今後より課題への対応が行いやすく、データドリブンの営業スタイルを確立する後押しになるのではないかと思います。

 

“自走できるデータドリブンの営業組織”への変革を、全社に展開

―最後に、今後の展望とその中でセラクCCCに期待されることをお聞かせください。

 

唐沢様:営業力をベテラン社員から若手社員へと受け継ぎ、今後も売上を伸ばしていくことが、GBソリューション事業部のミッションです。その実現に向け、今回育成プログラムを受講した2名を中心にデータを活用した事業戦略と営業戦略の立案に取り組むとともに、データアナリストのスキルアップに向けた学習と実践も継続していきたいと考えています。

 

セラクCCCさんにはその過程でまたご相談をさせていただきたいですし、さまざまなご提案をいただければ嬉しく思います。

 

片岡様:デジタル戦略部としては、GBソリューション事業部内で自走できるように後押ししていくのはもちろんのこと、この取り組みを他の事業部門にも横展開し全社で標準化を進めたいと考えています。

 

事業部門ごとにデータアナリスト人材がおり、データ活用に取り組む際には彼らを中心として各事業が自走できる。またデータアナリスト人材同士が横のつながりを持ち、情報やトレンドを共有し合いながら取り組みの質を高めていく……理想となるのはそんな状態です。

 

その実現に向けて、育成カリキュラムの標準化などの観点で引き続きプロフェッショナルのお力をお借りできれば幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。

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お客様プロフィール

企業名

キヤノンマーケティングジャパン株式会社

事業内容

キヤノン製品および関連ソリューションの国内マーケティング

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